このページの本文へ

現金禁止「キャッシュレスバス」の時代がやってくる

2024年07月30日 12時15分更新

文● @sumire_kon

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
バス停とバス

写真はイメージ

 国土交通省は7月29日、「完全キャッシュレスバスの実証運行」について、参加事業者の募集を開始した。公募期間は2024年8月19日まで。一般路線バスのうち、特定の条件を満たした10路線程度を選定する方針だ。

完全キャッシュレス化でバス事業者の経営改善・体力強化を目指す

 バス業界では運転士不足等を理由に、2023年度は一部路線で2割程度の減便が発生するなど、路線網の維持が難しくなりつつある。

 こうした状況に対応するための取り組みが、完全キャッシュレスバスという新しい運行形態。現行の路線バスと異なり、車内での運賃精算をすべてキャッシュレスとすることで、バス事業者のコスト負担を大幅に軽減。ドライバーの確保や路線網の維持に繋げることを目標としている。

 一方、完全キャッシュレスバスを実現するためには、バス利用者の理解も不可欠。今回、事業者の募集を始めた実証運行も完全キャッシュレス実現に向けた環境整備の一環で、すでにキャッシュレス決済の比率が高いなど、利用者への影響が少ない路線を中心に選定される予定だ。

 具体的な選定条件は以下のとおり。今回は一般路線バスを対象として10路線程度を選定する。

・利用者が限定的な路線(空港、大学、企業輸送路線など)
・外国人や観光客の利用が多い観光路線
・さまざまな利用者がいる生活路線で、キャッシュレス決済の比率が高い路線
・自動運転など、ほかの実証運行を同時に実施する路線

 海外ではイギリスやフランス、スウェーデンなどで完全キャッシュレスバスが既に導入されているが、日本では国交省が定める「一般乗合旅客自動車運送事業標準運送約款」の改正が必要となる。

 国交省では8月中を目処に同約款を改正し、路線バスでの完全キャッシュレス運行を認める方針だ。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン