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「Zoom Experience Day Summer」基調講演レポート

“ウェブ会議以外”のZoom活用事例が続々と、井村屋は工場、東京大学はサポート窓口刷新

2024年07月19日 14時45分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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東京大学の学生・教職員の協同プロジェクトを支える「Zoom Contact Center」

 続いて紹介されたのは、Zoom Contact Centerを採用した東京大学の事例だ。同ソリューションの国内初のユーザーであり、「uteleconプロジェクト」のサポート窓口に活用されている。

 同プロジェクトでは、学生や教職員向けに、大学内で利用できる情報システムを案内するポータルサイトを展開している。コロナ禍の中で、Zoom Meetingsでのオンライン授業をサポートするために発足したプロジェクトであり、学生と教職員が組織の垣根を越えて運営している。

 “使う人目線での情報発信とサポート”を活動理念としており、同大学の准教授でプロジェクトを担当する玉造潤史氏は、「サポート窓口では『たらい回しにしない』を基本として、速さよりも少ない回数で対応することを意識している」と説明する。

東京大学 情報システム本部 副本部長 准教授 uteleconプロジェクト担当 玉造潤史氏

 サポート窓口では、「チャット」と「音声&画面共有」、「メール」の3種類のチャネルを用意。裏側では学生スタッフと教職員が、ZoomやZendeskなどを用いて連携しながら、フルリモートで対応する。

 一方で、チャネルを複数用意したことで課題も発生していた。「チャットシステム」「Zoom Meeting」「Zendeskを用いたメールサポート」と、チャネルに応じた各システムの使い方を把握する必要があるうえ、対応の記録もそれぞれ別システムに蓄積される。そして、チャットシステムとZoom Meetingの間で案件を振り分ける仕組みがなく、メンバーによる対応量に偏りが発生していた。

Zoom Contact Center導入前のサポート窓口

 これらの課題を解決するために導入されたのが、Zoom Contact Centerだ。単一のZoomプラットフォームに構築された同ソリューションによって、「チャット」と「音声&画面共有」での対応を統合し、「メール」対応もZendeskのコネクターでつなげ、一元管理が可能になった。すべてのチャネルは一画面で把握でき、記録も集約して蓄積され、案件の割り振り機能も実装できた。

Zoom Contact Center導入後のサポート窓口

 Zoom Contact Centerの導入は、外注せず、同大学 大学院の修士2年である德永紗英氏が、ほぼ一人で主導したという。同ソリューションを知ってから、約半年で実運用に漕ぎつけた。 

 德永氏は、「サポート窓口での対応も、スタッフ同士の協働も、コミュニケーションの問題。この点においてZoomの理念、音声や映像といった土台となる技術は信頼がおける」と語る。製品の在り方や改善点などの声に応えてくれるZoom自身のサポート体制が決め手となり、Zoom Contact Centerの導入を決定したという。

東京大学 uteleconプロジェクト 学生スタッフ 大学院総合文化研究科 修士2年 德永紗英氏(中央)

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