レノボ、あらゆる分野で「AI」に注力していく2024年

文●ASCII

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 レノボ・ジャパンとレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ、モトローラ・モビリティ・ジャパンは7月16日、「レノボ 2024年度事業戦略説明会」を実施した。

 「Hybrid AIをポケットからクラウドまで、もっと身近に」というテーマにもある通り、同社の今年度のテーマは“AI”だということだ。登壇した檜山氏(レノボ・ジャパン合同会社 代表取締役社長)も「すべてのデバイス・製品にAIが入っていくAI元年になる」と発表会の中で語っていた。

登壇した檜山 太郎氏(レノボ・ジャパン合同会社 代表取締役社長)

 その言葉を裏付けるように、レノボ・グループは10億米ドルのAIへの投資やHybrid AI戦略の発表、AIインフラストラクチャー&サービスによるユーザーのAI活用支援など、「AIへの投資」を加速している。

 本説明会では、同社の「ポケットからクラウドまで」を支えるAI戦略や事例について、説明がなされた。

 大きくPC、スマホ、エッジソリューションと3つのテーマにわかれて、語られた発表会なので、分野別に紹介していく。

Copliot+PCを中心としたPC分野

 2024年度のPCスマートデバイス事業部注力領域としては、6月に発表されたCopliot+PCが中心となってくる。

 Copliot+PCとは、Windowsを搭載し、40TOPS(Trillion Operation Per Second:毎秒1兆回の演算)以上の性能を持つといった条件を満たすノートパソコンとなるが、同社はコンシューマー向けとして最新機種「Lenovo YogaSlim7x Gen 9」を発表、すでに販売開始している。

法人向けの「Lenovo ThinkPad T14s Gen 6」も近日、投入予定

 また本発表会では追加して、法人向けの「Lenovo ThinkPad T14s Gen 6」も投入予定であることが明かされた。

 このCopliot+PCについて檜山社長は、対応ソフトウェアの拡大が需要創出の鍵だとし、2024年~2025年にかけて、映像編集や画像生成などをはじめとしたアプリ・ソリューションなども準備していきたいと語っていた。

 Copliot+PCはコンシューマー向けからのスタートとなったが、ユーザーのフィードバックをもらいながら、あらゆるAIニーズにフィットするソリューションを提供していくとまとめていた。

 あわせて、2025年10月にはWindows 10もサポート終了・GIGAスクールの第2フェーズの開始などで、大きなPCの買い替えの動きがあるため、それを契機としたさらなるDXの推進もしていくと語っていた。

スマホにもAI Connectedな新機能を追加していく

説明会ではカメラ機能の強化が重要だと語られた

 スマホ事業ではモトローラ・モビリティ・ジャパンについての話が中心となったが、こちらでもAIに注力していくという方針は同様だ。

 説明会では、AI Connectedな新機能を追加していくとし、発表されたばかりの「motorola edge 50 pro」に新たに搭載された「moto ai」などの機能を強化していくとした。

  moto aiではCapture(カメラ機能の強化)、Create(コンテンツの生成)、Assist(パーソナルアシスタント)という3つの柱を軸に、よりAI Connectedな使い方を訴求していくとした。

  またスマホ・PCなどでアプリやコンテンツを簡単に利用・共有可能なマルチデバイス連携「Smart Connect」にも触れた。リモート・出社など、まさにハイブリットな働き方も増えてきた中で、PCのウェブカメラとしてスマホを利用できたり、デバイス間でのコンテンツ共有ができることは今後の需要としても大きいのではないだろうか。

「Z世代」にも選ばれるアプローチというのも注目したいところだ

 スマホの販売戦略については、ニーズに応えるラインアップ拡充と販売チャネルやタッチポイントの拡大、法人ビジネスの強化などをあげていた。さらに「Z世代」にも選ばれるブランド認知確立のための新しいアプローチの検討していくという。

インフラストラクチャー・ソリューション領域について

2023年度のITインフラの実例

  最後に触れたのはレノボのITインフラ事業についてだ。同社では2023年度より、グローバルではTelco Edge AIソリューションを展開し、森林火災の防止などに使われていたり、日本においては高騰する電気代の課題があるなか、AI電力消費削減「直接水冷」技術などを取り入れてきた。

 そして2024年においては、同社は日本の「ITインフラを『AIReady』」に、というテーマのもと多種多様な製品を拡充していくとする。

 これまでレノボでは、完成した製品・技術をパッケージとして提供するという形をとっていたが、これからはユーザーの課題・ニーズを理解し、成果を実現するエコシステムの構築が重要だと語る。

「Lenovo Intelligent Sustainability Solutions Advisor」(LISSA)やデジタルワークプレイス「Lenovo Care of One」

 説明会の中ではそんなユーザー課題を解決する1つのツールとして、AI搭載のサステナビリティー・エンジン「Lenovo Intelligent Sustainability Solutions Advisor」(LISSA)の紹介や、従業員のためのデジタルワークプレイス「Lenovo Care of One」なども紹介された。

 レノボ・グループとしてはPC・スマホ・ソリューションなど、さまざまな製品のポートフォリオを持っている。今後は、その多様なポートフォリオの強みやHybrid AIを活かしながら、個人・法人問わず、ユーザーに対してさまざまなものを提供していくという。

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