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アップルのSafariは「サイトを越えて広告が追ってこない」グーグルなどとの違いをアピール

2024年07月17日 01時00分更新

文● 飯島恵里子/ASCII

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キャンペーンの日本語版ビジュアル

 アップルは7月17日、同社によるウェブブラウザー「Safari」のプライバシー保護機能をPRするキャンペーンを世界規模で開始した。

 現在に生活する人々は、ウェブサイトを利用しない日はないといっても過言ではない。知りたいことや気になるアイテムがあればスマートフォンやPCのブラウザーを開いて、検索窓に関連する言葉を入力したり、ショッピングサイトでチェックするだろう。そんな行動を取った後に検索した言葉に関連するアイテムなどが、追っかけてくるようにウェブサイトに「広告」として何度も表示される光景に慣れた人も多いだろう。これは主に広告収益を目的とし、ウェブサイト上でのユーザー行動を追跡する技術などが開発された影響だ。

 もちろん、経済において広告を掲載し人々の購入欲求を刺激し、最終的に購入に結び付けるという枠組みは、テレビCMや新聞、雑誌などでこれまでも実行されてきたが一方通行にならざるえず、広告掲載とその効果を測る指数は正確とはいえないものであった。

 しかし、近年のウェブブラウザーに掲載されている広告については、広告の掲載から購入までにいたるユーザー行動の流れを追跡できるようになったことから、「広告の波及効果」を広告主や掲載メディアがひとつの指数として利用するようになった。

Safari上の検索結果を広告収益としないアップルが
ウェブブラウザーにおけるプライバシー侵害を示唆

 アップルが機能として取り組んでいることは、「ウェブブラウジングの際になにが起こっているか」「なにがプライバシー侵害となるのか?」などである。

グーグルの「Chrome」ブラウザーとの比較

 Safariは2005年に、サードパーティーのクッキーをブロックしはじめた。そして2019年にはすべてのサードパーティーのクッキーをブロックする機能を有した、初のブラウザーとなった。検索をもとに広告を掲載することを主な生業としてきたグーグルでは、なかなか導入しづらい考え方であり、機能といえるだろう。

 ユーザーが検索したアイテムがサイトを越えて追っかけてくる「サイト越えトラッキング」やユーザーの「位置情報」などをサードパーティーと共有する機能は、アップル製品では初期設定で「オフ」になっている。iPhoneの場合は、「設定」→「Safari」→「サイト越えトラッキングを防ぐ」「IPアドレスを非公開」「プライベートブラウズをロック解除にはFace IDが必要」「詐欺Webサイトの警告」といったチェックボックスがある。

 もちろんポイントサイトを利用したポイ活をする場合、サイトを横断したトラッキングが必須となる。また、東京都内にいて「札幌ラーメン」を検索した場合、札幌市内のラーメン店ではなく東京都内の札幌ラーメンを提供する飲食店を表示するといったユーザーの位置情報をもとにした検索結果による利便性など、ユーザー情報の提供や利用は悪い側面だけではない。まずはユーザーがウェブブラウザー上で「なにが起きているか」を正しく知り、安全面において自分で選択することが大切だ。

 

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