東日本旅客鉄道(JR東日本)は7月11日、生成AIを利用した社内用チャットの全社員への展開と内製化を進めることを発表した。
自社製生成AIチャットを全面展開
同社の社内向け生成AIチャット「JRE AI Chat」は、社内組織のDigital&Dataイノベーションセンター(DICe)が内製したもの。2023年10月より一部の部署で試験運用を始め、DX推進に役立つことが確認できたことから、2024年6月より利用範囲を全社員対象に拡大している。
DICeではほかにも、社員からの質問に登録した社内文書に基づいて回答する、RAG(検索拡張生成)を利用した生成AIツールのプロトタイプも構築。こちらは社内規定やルールなどの文書の効率的な検索を通じて、全社的な業務効率化に貢献することを目的としたツールで、2023年11月より一部の部署で試験運用中。アジャイル開発の手法を用いて社員の意見を継続的に取り入れ、2024年10月からは全社に試験運用範囲を拡大する予定だ。
鉄道版生成AIの構築も視野に
JR東日本ではエンジニア不足やシステムやアプリの開発スピードアップを目的として、プログラムのコーディングに生成AIを導入済み。
同社は今後の展開として、汎用型の生成AIでは対応が難しい鉄道事業固有の情報を学習させた「鉄道版生成AI」の開発を進めるほか、コールセンター業務などグループ企業内で共通する業務への生成AI活用にも取り組んでいくとしている。