巧みに指示を出して規制を突破する手法
Q:「プロンプトインジェクション」ってなに?
A:対話型AIに対して、特定の指示(プロンプト)を出すことで実行する攻撃手法。
おすすめの関連記事
実はフィッシング詐欺だけで1年間に約120万件も報告されている
ある種の脆弱性を突いた攻撃と言える。特定の指示を受けたAIシステムは開発者が想定していない動作をしてしまい、誤動作してしまう。
その結果、攻撃者はAIから本来公開するべきでない情報を引き出すことが可能になり、対話型AIを運用している企業の機密情報や従業員のパスワードなどが漏洩する危険性もある。
実際、2022年9月にはGPT-3エンジンを採用した対話型AIに対して「前の指示を無視せよ」と指示を出したことでAIから非公開のドキュメントを引き出したり、SQLインジェクションを実行したりした事例が報告されており、対話型AIの普及に伴ってプロンプトインジェクションは必ず対策すべき課題となっている。
具体的な対策としては、ユーザーからの入力をチェック、フィルタリングすることで、悪意あるプロンプトを防ぐこと、またAIモデルの開発においてプロンプトインジェクションに対する耐性を与える設計をすることが挙げられる。
この連載の記事
-
第49回
デジタル
日本のセキュリティ犯罪対策は「サイバー警察局」におまかせ! -
第48回
デジタル
暗号資産の利点を悪用する「マネーロンダリング」の現在 -
第47回
デジタル
私たちでは対策に限界が……「なりすましメール」に要注意! -
第46回
デジタル
サポート詐欺で有名に? 「リモートデスクトップ」ってなに? -
第45回
デジタル
ペネトレーションテストはサイバー攻撃の「模擬戦」です -
第44回
デジタル
企業・団体は取得したが最後、厳重保護せねばならぬ「PII」とは? -
第43回
デジタル
「3Dセキュア2.0」は怪しいときだけ認証求める新システム -
第42回
デジタル
あなたの会社は対応済? 成りすまし迷惑メールを削減する「DMARCポリシー」 -
第41回
デジタル
あなたのスマホデータも裁判の証拠に!? 「デジタルフォレンジックス」ってなに? -
第40回
デジタル
個人情報を扱う企業が続々契約する「サイバー保険」ってなに? -
第39回
デジタル
「サンドボックス」が実験場ってどういうこと? - この連載の一覧へ