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“一強”エクイニクスとの競争に向け、新データセンター「中央第3センター(CC3)」を開設

アット東京が芝浦・品川エリア進出で狙う「東京No.1キャリアホテルDC」の座

2024年07月01日 07時30分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 アット東京は2024年7月1日、東京都港区(芝浦・品川エリア)に竣工した新データセンター「アット東京中央第3センター(CC3)」のサービス提供を開始した。サーバールームの総床面積は約8000平方メートル、約3000ラックを設置可能で、総受電容量は約40MW(40MVA)となっている(以下、データセンターは「DC」と略記する)。

アット東京中央第3センター(CC3)の特徴

 アット東京ではCC3を「ネットワーク接続拠点型DC(キャリアホテルDC)」と位置付け、すでに主要IX(JPNAP、JPIX、BBIX)の接続ポイントを設置することも発表している。

 記者説明会では、芝浦・品川エリアで今後もさらにDC建屋の拡張を進めて「DCキャンパス化を実現したい」とコメントしており、現在、芝浦・品川エリアのキャリアホテル需要を“独占”しているエクイニクス(Equinix)からシェアを奪いにいく、強気の姿勢を見せた。

アット東京 執行役員 企画本部 副本部長の市原昌志氏、執行役員 企画本部 プラットフォーム企画部長の杉山智倫氏

ハイパースケールDCと共に需要が高まる「キャリアホテルDC」

 アット東京 執行役員 企画本部 副本部長の市原昌志氏は、「CC2(アット東京中央第2センター)の開設から12年、少し時間がかかってしまったが、ようやく新たなフラッグシップDCとなるCC3を開設できた」と語る。

 クラウドサービス利用の普及によって、データセンターの顧客需要は大きく変化している。かつて中心的だった一般企業の「サーバーを置く」需要は減少し、その需要はクラウドサービス事業者のハイパースケールDCへと置き換わっている。

 代わりに需要が高まっているのが、高信頼かつセキュアに「ネットワークにつなぐ」拠点としてのDC利用だ。一般企業、IX(インターネットエクスチェンジ)、ISP、そしてクラウドサービス事業者と、いずれの立場からも「ネットワークにつなぐ」拠点としてのDCサービスが強く求められるようになっている。

 「DC事業者の立場から見ると、ハイパースケールDCは規模が大きく売上も大きいが、利益率は低い。一方で、クラウド事業者やIX、そこに接続するために集まってくるお客様を相互につなぐキャリアホテルDCは、(都心部への設置など)立地条件が非常に重要となる。相互接続の価値をきちんと提供できれば、比較的利幅も取りやすい」(市原氏)

アット東京によるDC顧客動向の整理。「ネットワークにつなぐ」需要が増加するなかで、「CC3の主戦場」は“キャリアホテルDC”、大規模な相互接続性(コネクティビティ)の提供と定めている(図右下の象限)

 アット東京でも、こうした市場ニーズの変化に対応する取り組みを進めてきた。IXやメガクラウド、国内外のDCとの柔軟な相互接続サービス「ATBeX」(詳しくは後述)を提供するほか、大手IXやメガクラウドのPOP(ユーザー向けのダイレクト接続ポイント)を誘致/集約することで、キャリアホテルDCとしての相互接続サービスを展開している。

アット東京のビジネス戦略。クラウド時代に対応した「コネクティビティ(接続性)ハブ」を目指すサービスを展開

 市原氏は「PeeringDB」(DCごとに相互接続できるネットワーク事業者の情報をまとめたサイト)の公開情報を基に、アット東京のCC1/CC2には、現在4社のIX、96社の大手ネットワーク事業者/クラウド事業者が集積しており、東京都下の主要なキャリアホテルDCのひとつになっていると説明する。

 キャリアホテルDCには、相互接続できるネットワークの数が多いほどその価値が高まり、さらに多くのネットワーク事業者が集まる――という成長の構図がある。CC1/CC2でそうした成長が続いている点もポイントだ。

東京都下の主要キャリアホテルDCにおける接続ネットワーク数の推移(PeeringDBの公開情報に基づきアット東京が作成)。市原氏は、近年はエクイニクスとアット東京だけが成長していることを強調した

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