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田口和裕の「ChatGPTの使い方!」 第25回

チャットAI「Claude」すごい新機能「Artifacts」の使い方、全部教えます

2024年07月05日 10時00分更新

文● 田口和裕

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生成可能なArtifactのタイプ一覧

 Artifactsで作成できるのはテキストやコードだけではない。ここからはClaude 3.5 Sonnetが生成可能なArtifactsの種類をすべて紹介する。各タイプは特定の用途に最適化されており、それぞれ独自のMIME type(インターネット上でファイルの形式を識別するためのラベル)を持っている。

Plain Text(プレーンテキスト)

MIME Type: text/plain
用途:フォーマットなしの純粋なテキストデータの表示

Plain Textサンプル

 Plain Text Artifactは、特別なフォーマットや構造を必要としないシンプルなテキストデータを表示するのに適している。

 「シンプルなメモやノート」「ログファイルの内容」「構造化されていないデータの表示」「書式なしのテキストドキュメント」といったコンテンツを生成する際に使われることが多い。

Markdown

MIME Type: text/markdown
用途: 軽量マークアップによるドキュメント作成

Markdownサンプル

 Markdown Artifactは、軽量マークアップ言語を使用して構造化されたテキストコンテンツを作成し表示するのに適している。

 簡単な構文を使用することで、見出し、リスト、リンク、強調などの基本的な書式設定を容易に実行できる。

 「簡易的なウェブコンテンツ」「技術文書やドキュメンテーション」「README ファイル」「ブログ記事や報告書」といったコンテンツを生成する際に使われることが多い

HTML(HyperText Markup Language)

MIME Type: text/html
用途: ウェブページ、構造化されたドキュメントの作成

HTML(レンダリング)

HTML(コード)

 HTML Artifactは、ウェブページの構造とコンテンツを定義するためのマークアップ言語であるHTMLを使用して、通常のウェブコンテンツを作成・表示するのに適している。

 「プロトタイプ作成」「複雑なレイアウトを持つドキュメント」「インタラクティブなフォーム」「スタイル付きの文書」といったコンテンツを生成する際に使われることが多い。

LaTeX(数式)

MIME Type: application/x-latex または text/latex
用途: 数学的な式や方程式の高品質な表示

LaTeXサンプル

 LaTeX Artifactは、高品質な数式や科学的記述を含む文書を作成・表示するのに適している。

 「複雑な方程式」「科学論文の数式セクション」「技術的な図表や表」「学術的な文書の一部」といったコンテンツを生成する際に使われることが多い。

SVG(Scalable Vector Graphics)

MIME Type: image/svg+xml
用途: ベクターグラフィックス、図形、ロゴ、アイコンの作成

SVG(レンダリング)

SVG(コード)

 SVG Artifactは、拡大縮小しても品質が劣化しないベクターグラフィックスを作成・表示するのに適している。

 「ロゴやアイコン」「インフォグラフィックス」「インタラクティブな図表」「複雑な図形やイラストレーション」といったコンテンツを生成する際に使われることが多い。

Artifactsで生成できるコードは3タイプ

 最後は(プログラム)コードだが、実は、Artifactsで生成できるコードのタイプは3つ存在する。

1. Code(Regular)

MIME Type: application/vnd.ant.code
用途: 様々なプログラミング言語のソースコード表示

Codeサンプル(Python)

 Code Artifactは、様々なプログラミング言語のソースコードを構文ハイライト付きで表示するのに適している。

 「プログラミング例の提示」「アルゴリズムの実装」「設定ファイルのサンプル」「コードスニペットの共有」といったコンテンツを生成する際に使われることが多い。

 利用できるコードは多岐にわたるが、「Python」「JavaScript」「Java」「C」「C++」「C#」「Ruby」「Go」「PHP」「TypeScript」「Swift」「Kotlin」「Rust」「SQL」「Shell script(Bash)」「PowerShell」「R」「CSS」など、現在利用されている代表的なものはすべて利用可能(少なくともサンプルコード生成は確認)になっている。

 コードはシンタックスハイライトされたテキストとして表示されるが、Artifact内で実行することはできず静的な表示になる。

 もちろん適切な実行環境を用意することで実行可能になる。そして、その方法もClaudeがていねいに教えてくれるので安心だ。

2. Mermaid Diagram

MIME Type: application/vnd.ant.mermaid
用途: フローチャート、シーケンス図などのダイアグラム作成

Mermaid Diagram(レンダリング)

Mermaid Diagram(コード)

 Mermaid Diagram Artifactは、テキストベースの構文を使用して図やグラフを作成するためのJavaScriptライブラリー「Mermaid」を利用したArtifact。

 「プロセスフロー図」「シーケンス図」「ガントチャート」「組織図やマインドマップ」といったコンテンツを生成する際に使われることが多い。

 通常のCode Artifactとの違いはコードと共に図やグラフがレンダリングされて表示される点だ。スクショしてプレゼンテーションに貼ることもできるし、コードをダウンロードしてWebページ内に埋め込んで表示することも可能だ。やり方はClaudeに聞いてみよう。

3. React Component

MIME Type: application/vnd.ant.react
用途: インタラクティブなUIコンポーネントの作成と表示

React Component(レンダリング)

React Component(コード)

 Reactは、メタが開発したウェブサイトやウェブアプリケーションのUIを作成するためのJavaScriptライブラリ。

 React Component Artifactは、通常のCode Artifactと異なりArtifact上でもレンダリングされ、インタラクティブに動作するため、UIコンポーネントを作成・表示するのに適している。

 「動的なユーザーインターフェース要素」「データ駆動型のコンポーネント」「インタラクティブなフォーム」「カスタムウィジェット」といったウェブページで利用するコンテンツを生成する際に使われることが多い。

 また、手軽にインタラクティブなコンテンツを作成できるため、スライドショーやインフォグラフィックなどを作成することも可能だ。

 ただし後述するがReactコンポーネントとして作成されたコンテンツを一般に公開するためには、npmパッケージを作成したり、GitHubリポジトリに公開したりなど多少専門的な知識が必要になる。とは言えその方法もClaudeが優しく教えてくれる。

音声、音楽、動画、PDFなどは生成できない

 以上、現時点でArtifacts機能を使って生成できるArtifactの種類をすべて紹介した。

 ということは、ここで紹介したタイプ以外のArtifact(音声、音楽、動画、PDFなど)は現在のシステムでは生成できないということだ。

 また、画像に関してはSVGやMermaid Diagramでできる範囲内にとどまる。Stable Diffusionなどの画像生成モデルとの連携が期待されるところだ。

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