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イマーシブオーディオをテーマにしたセミナーと製品をチェック

OTOTEN2024開催、このイベントだから聴ける「音」を探す

2024年06月23日 14時30分更新

文● ゴン川野 編集●ASCII

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ステレオとサラウンド、立体音響の違いを体感する

「VTuber 音街ひびき と学ぶ 立体音響」

 3番めは、VR空間上の立体音響スタジオ「tutumu」から、サウンド・シティ公式VTuber音街ひびきさんとミックスエンジニア加納洋一郎氏が中継をつないで立体音響を体験するセミナーである。VTuberはスクリーン上にしか登場できないため会場はほぼ映画館並みに暗かった。ちなみにサウンド・シティが運営する本物の立体音響スタジオ「tutumu」は日本プロ音楽録音賞スタジオ賞を受賞している。スタジオには何と19個のスピーカーがありドルビーアトモスと360リアリティオーディオの再生に対応するのだ。

 スクリーンには音街ひびきさんの3Dライブ動画が流れ、ステレオ、ドルビーサラウンド5.1ch、ドルビーアトモスと1曲の中でフォーマットが変化する。この後、chごとの音だけを再生して違いを確認した。また、打ち上げ花火の動画で高さ方向の音の移動が分かるドルビーアトモスも体験。音楽用のドルビーアトモスミュージックへと話は進んだ。このセミナーは学生対象で満席になっており、若い世代の立体音響への関心の高さも実感できた。

VTuber 音街ひびきさんはYoutubeで活動中だ

ライブ動画で音場感の違いを体験した

ノイマンのアクティブスピーカーで7.1.4chを体験

 ゼンハイザージャパンでは同社が扱っているノイマンのアクティブスピーカー「KH 120II」とサブウーハーを加えた7.1.4chで映画を再生していた。さらに同社独自の自動音場補正システム「MA1」を使って補正を加え、スタジオに迫るイマーシブオーディオを実現していた。高さ方向の音が加わることで空間の広さがよりリアルに感じられた。

試聴席は3つありテンポのいいデモで並ばずに7.1.4chが体験できた

専用のマイクを立てて自動的に音場を補正するMA1も使われている

鹿島建設が部屋に左右されないサラウンドシステム

「OPSODIS 1」もイマーシブオーディオを追求

 私が以前から気になっていたのがクラウドファンディングで製品化を目指す「OPSODIS 1」である。3Way6スピーカーを6chのマルチアンプでドライブする。入力はUSB-Cと光デジタル、アナログ入力にも対応して、Bluetoothも使える。製品名にもなっているオプソーディスは立体音響技術の名称で、20年前から鹿島建設と英国サウサンプトン大学音響技術研究所が研究開発を続けていた。デザインはサウンドバーに似ているが、サウンドバーが反射音を利用してサラウンド感を再現するのに対して、OPSODISは直接音だけでサラウンド感が得られる。このためより自然な音場感になり、設置する部屋の形状や左右の壁の材質などの影響を受けにくい。

 実際に体験してみると映画の場合は、俳優のセリフと同じクリアさで音楽や環境音が再現され、後方まで音に包まれる。2chの音楽音源でもサラウンド効果が得られた。その効果は驚異的、デスクトップで使うならこれを超えるシステムは存在しないと思う。デモ機は2台あったが会場には長蛇の列が絶えることなく、その人気の高さが証明されていた。

かなりコンパクトな一体型で、金属パーツが使われ質感も高い。一般販売価格は7万4800円を予定している

試聴を終えても熱心に話し込む来場者が多く、列はなかなか進まなかった

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