LEVELΘのCore i5-14400FとRTX 4060 Ti採用PCの実力をチェック
お手頃価格で快適PCゲームプレイしたいんじゃ! という人に最適な17万円台BTOPC
2024年06月18日 14時00分更新
ユニットコムが販売する「LEVELΘ」(レベルシータ)シリーズの「LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACK [Windows 11 Home]」(以下、LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACK)は、コスパを追求しながら、ゲーミングスペックはしっかりと確保したエントリー向けのゲーミングパソコンだ。
前回のレビューではコスパを追求しながらもしっかりとしたPCケースのつくりなどに触れてきた。今回は比較的軽量なゲームベンチマークなどを中心に、LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKのゲーミング性能を見ていきたいと思う。
試用機の主なスペック | |
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モデル名 | LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACK [Windows 11 Home] |
CPU | Core i5-14400F(2.5GHz~最大4.7GHz)、10コア/16スレッド |
CPUクーラー | トップフロー空冷クーラー |
グラフィックス | GeForce RTX 4060 Ti、GDDR6 8GB |
メモリー | 16GB(DDR5-4800 8GB×2) |
ストレージ | 500GB M.2 NVMe SSD |
内蔵ドライブ | ー |
チップセット | インテル B760 チップセット |
インターフェース(前面) | USB 3.0 Type-A×1、USB 2.0 Type-A×2、ヘッドフォン出力、マイク入力 |
インターフェース(裏面) | USB 3.2 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0 Type-A×2、HD Audio端子、1000BASE-T LANポート、HDMI×1、DisplayPort×3 |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T) |
内蔵拡張ベイ | 3.5/2.5インチ兼用内蔵ベイ×2、2.5インチ内蔵ベイ×2 |
電源 | 650W 80PLUS BRONZE認証 ATX電源 |
OS | Windows 11 Home(64bit) |
価格(6月18日現在) | 17万9800円 |
ミドルレンジ構成のCPUとGPUを搭載
はじめに、LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKが搭載するCPUとGPUの素性についておさらいしておこう。
CPUの「Core i5-14400F」は、インテル第14世代Coreプロセッサーのなかでミドルレンジ向けに位置するCPUだ。CPUコア構成は性能重視のPコアが6基、効率重視のEコアが4基搭載された計10コア/16スレッドのハイブリッドアーキテクチャCPUで、最大ブースト動作クロックは4.7GHzに達する。内蔵GPUは非搭載だ。
昨今の大多数のゲームは6コア/12スレッドまでのCPUを推奨環境にしていることが多く、Core i5-14400Fであれば加えてEコア4基が控えている状態となる。ゲーミング向けとして十分なマルチスレッド性能を持っているCPUといえるだろう。
GPUの「GeForce RTX 4060 Ti」も、NVIDIAのRTX 40シリーズGPUのなかでミドルレンジ向けに位置するGPUだ。フルHD解像度の高フレームレートゲーミングや最高画質プレイを主なターゲットとしており、ビデオメモリーはGDDR6 8GBを搭載する。
ということで、LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKはミドルレンジ+ミドルレンジで、バランスに優れた構成といえるだろう。
なお、システムメモリーは16GB(DDR5-4800 8GB×2)を搭載しており、大多数のゲームで容量的には必要十分。ただ、ゲームと同時にいくつものアプリを動かしたり、動画編集などのクリエイティブ系のアプリを動かすには少々心もとない。
LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKはメモリースロットの空きがないので、注文時のオプションカスタマイズで最初から32GBの構成にしておくのもありだ。また、LEVELΘはリーズナブルにかつ快適にゲームプレイしたい人向けなので、配信もしたい場合はLEVEL∞ブランドのマシンを検討したほうがいいかもしれない。
フルHD~WQHDで良好なパフォーマンスを発揮
ではさっそく、ベンチマークの結果を見ていこう。まずは定番の3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」(Ver.2.28.8217)の結果から。
DirectX 11のテスト「Fire Strike」では、フルHD(1920×1080ドット)のFire Strikeが25499、4K(3840×2160ドット)のFire Strike Ultraが7455。DirectX 12のテスト「Time Spy」では、WQHD(2560×1440ドット)のTime Spyが13370、4KのTime Spy Extremeが5965となった。Direct X Raytracing(DXR)のテスト「Port Royal」は8105。DirectX 12 Ultimateに特化した性能テスト「Speed Way」は3218。
フルHDテストのFire Strikeはベンチマーク中のフレームレートが約135~170fpsを記録し高いスコアーを残している一方、4KテストのFire Strike Ultraはフレームレートも約25~40fpsくらいとちょっと厳しい結果となっている。
意外と健闘していると感じたのがWQHDテストのTime Spyで、ベンチマーク中のフレームレートも約75~90fpsを記録している。これだけのパフォーマンスがあれば実ゲームのWQHDで60fps安定動作はもちろんのこと、DLSSなどを駆使すれば120fps動作は達成できそうな気配だ。
なお、Time Spyに含まれる「CPU Test」項目でCPU温度の変化を追ってみたところ、最大温度は約83度(室温25度)となった。CPUのサーマルスロットリングが働く100度まではまだまだ余裕があり、インテル標準CPUクーラーでも十分冷却されていることを確認できた格好だ。
次より、実際のゲームタイトルをベースにしたベンチマークや、ゲームプレイを用いたパフォーマンス計測の結果を見ていこう。なお全ての計測で画面解像度は1920×1080ドット(フルHD)、2560×1440ドット(WQHD)、3840×2160ドット(4K)の3パターン分を計測している。
ではまず、定番ゲームベンチマークのひとつ「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果を見ていこう。比較的負荷の軽い中量級タイトルをターゲットとした動作検証を行なえるベンチマークだ。画質設定はプリセットに「最高品質」を選択している。
スコアーはフルHDが23226、WQHDが18496で両者“非常に快適”の評価。4Kは9235で“快適”の評価となった。RTX 4060 Tiのターゲット通りにフルHDでは高いスコアーを残しており、加えてWQHDでも非常に快適の評価を得られている。
なお、現在FFXIVのベンチマークは「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」に変わっており、暁月のフィナーレと比べると負荷が高くなっている。とはいえ、暁月のフィナーレでこれくらいのスコアーが出ていれば、WQHDまでは快適に遊べるだろう。
一方で4Kになると一気にスコアーが落ちてしまい、最小フレームレートも60fpsを割ってしまうことから、最高品質での快適なプレイは少し厳しそうな雰囲気だ。
次に、人気対戦格闘ゲームの動作確認ベンチマーク「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」を実行。オプションの画質設定はクオリティ「HIGHEST」をベースに「MaxFramaRate 120」「Vsync OFF」の状態で計測を行なった。
フルHDとWQHDでほぼ同じフレームレートを記録しており、トータルスコアーはどちらも「100/100」の「快適にプレイできます」の評価が得られた。この結果からSTREET FIGHTER 6は動作が軽く、最大フレームレート120fpsの範囲内であればフルHDとWQHDの差がほぼ表れないということが伺える。
メインの「FIGHTING GROUND」(対戦格闘シーン)でも、両者安定してほぼ60fps固定状態だった。STREET FIGHTER 6はWQHD解像度でも存分に闘うことができるはず。
一方、4Kになると目に見えてフレームレートが落ちてしまい、FIGHTING GROUNDでは60fps固定を維持できずに、トータルスコアーも「93/100」と落ちてしまっている。ただ、クオリティ設定を1段階下げて「HIGH」とすれば4Kでもトータルスコアー「100/100」に復帰したので、設定次第では4Kでのプレイも可能だ。
最後に、軽~中量級の定番FPSタイトル「Apex Legends」を用いる。グラフィック設定でアンチエイリアスを「TSAA」、すべてのオプションを最高の状態とした「最高設定」を1つ目の設定として用意。
次に、アンチエイリアスは同じく「TSAA」、他はテクスチャストリーミング「高(4GB)」、テクスチャフィルタ「異方性x4」、モデルディテール「高」にして、残りのオプションはすべて「低」または「無効」としたいわゆる「競技設定」を2つ目の設定として用意した。
射撃訓練場で特定のルートを移動したのちに「バンガロール」の「スモークランチャー」を射出して煙がなくなるまで待機。という一連の動きに対してのフレームレートを計測している。
フレームレートの計測には「CapFrameX」というアプリを使用。平均フレームレートのほかにデータ全体を100分割して最小値から1%の数値を「min(1%)」とし、これを最小フレームレートの代わりに記載している。
まず最高設定の結果を見ると、フルHD、WQHDともにリフレッシュレート144~165Hzのゲーミングディスプレーを活かせるパフォーマンスを持っていることが伺える。4K解像度でもフレームレートは60fpsを大きく超えており、大画面4Kテレビに映してカジュアルで快適にプレイするといった遊び方もできそうだ。
競技設定になるとさらに大きくフレームレートが向上し、フルHDとWQHDではリフレッシュレート240Hzクラスのゲーミングディスプレーも視野に入るレベルとなった。フルHDではApex Legendsのフレームレート上限300fpsを叩く時間も長くあった。また4K解像度でもリフレッシュレート120Hz対応4Kテレビを使いたくなるところまでパフォーマンスが伸びている。
中量級タイトルをWQHD解像度の最高画質設定で楽しめる!
以上、今回は軽~中量級のタイトルを中心にLEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKのゲーミング性能を測ってみた。LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKが搭載するRTX 4060 TiはフルHDゲーミングをターゲットにしたGPUだが、中量級タイトルであればWQHDの最高画質設定、高フレームレートで楽しめるパフォーマンスを持つことがわかった。
組み合わせるディスプレーとしてはリフレッシュレート240HzのフルHDゲーミングディスプレーが最適なのかもしれないが、競技系タイトルにそれほどこだわりがないのであれば、リフレッシュレート165HzのWQHDゲーミングディスプレーで画質の繊細さを楽しむ選択肢もアリだろう。
4K解像度については高画質設定と高フレームレートの両立は難しいという結果が出たものの、画質設定を抑えた60fps動作であれば無理なく達成できそうだということもわかった。部屋に設置している4Kテレビまで配線を延ばし、無線ゲームコントローラーを持ってカジュアルゲームを家庭用ゲーム機のような感覚で遊ぶといったプレイスタイルもたまにはよさげではないだろうか。
LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKは、本来のメインターゲットを超えてもっと高解像度でも色々な楽しみ方ができると感じさせるゲーミングパソコンだ。次回は重量級タイトルを用意し、軽~中量級タイトルとどのような違いが出るのか検証していきたいと思う。