本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「Android 13搭載、10.1インチSIMフリータブレットの販売開始」を再編集したものです。
こんにちは。ソラコム事業開発の堀尾(ニックネーム:hori)です。
この度、SORACOM IoT ストアにおいて、タブレット端末の販売を開始しました。Android 13を搭載した、aiwaの10.1インチSIMフリーAndroidタブレット、aiwa tab AB10Lです。このブログでは、今回タブレット端末の販売に至った背景と、簡単に利用手順を紹介します。
タブレット端末でSORACOMを利用するメリット
IoTは「人の代わりに現場をデジタル化して、データを活かす仕組み」です。そのため、SORACOMのIoT SIMの多くは遠隔監視のためのルーターやセンサー・カメラなどで利用いただいており、省力化や新たな価値づくりを支えています。(IoTの事例も併せてご覧ください)
これに対して、タブレット端末は人が手に持って使うことが多いデバイスです。人向けのデバイスにSORACOMを組み合わせると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
1つには「業務用端末としてのタブレットとSOARCOM」の組み合わせが考えられます。例えば産業機械の予知保全のクラウドサービスであるAmazon Monitronでは、センサーデータの確認や異常検出時の通知にタブレットを利用します。こういった業務アプリケーションの通信量は個人向けアプリよりも少量であることが多く、むしろセキュリティへの配慮や、多くの端末と通信回線をまとめて管理できることが求められます。
SIMフリーAndroidタブレット「aiwa tab AB10L」」
SORACOM IoT ストアストアで取り扱いを開始するaiwa tab AB10Lは、お求めやすい価格で、SIMフリータブレットに求められる機能を備えています。さらにNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル回線に対応しており、ソラコムが提供する各サブスクリプションが利用できます。想定される通信量と、利用したいキャリアに応じて、適切なサブスクリプションをご選択下さい。
利用手順
実際に本製品にSORACOM IoT SIMを挿して、接続確認してみます。まずaiwa tab AB10L を購入すると、このようなパッケージで届きます。
パッケージを開けると、タブレット端末本体に加え、スタートガイド、USBケーブル、ACアダプターが同梱されています。
まずは本体を充電します。
SIMを挿します。SIMスロットは端末の左側面にあります。カバーを開けて、スロットを露出させます。サイズはmicroSIMに対応しています。
SIMはこんな向きで挿します。今回、plan-K2(https://soracom.jp/store/19945/)を使います。
電源を入れます。電源ボタンは端末の左側面の上側にあります。電源を入れると、起動画面が表示されます。
しばらく待つと、初期設定が始まります。インターネット接続のため、Wi-Fiの設定を求められます。Wi-Fi環境があった方がよいですが、なくても初期設定は完了できます。手順は、一般的なAndroidタブレットと変わりません。画面の指示に従っていけば、設定が完了します。
SORACOM IoT SIMの利用のためにAPNを設定します。手順は、一般的なAndroidタブレットと変わりません。タブレットのホーム画面から「設定」を開きます。
「ネットワークとインターネット」 ⇒ 「モバイルネットワーク」を選択します。
「詳細設定」 ⇒ 「アクセスポイント名」を開きます。
右上の「+」をタップして、ソラコムのAPNを設定します。
- APN = soracom.io
- ユーザー名 = sora
- パスワード = sora
- 認証タイプ = PAPまたはCHAP
を入力し、設定を保存します。
これでSORACOMに接続できました。
タブレット利用に役立つSORACOMサービス
SORACOMのWeb管理画面「SORACOMユーザーコンソール」では、それぞれの端末のセッション状態(=稼働状況)と、接続している基地局の位置情報、通信量などを確認することができます。端末の数が増えてくると、どの端末にSIMがささっているのか、混乱しがちですが、管理コンソール上でIMEI(通信端末が持つユニークなID)を確認することができますし、SIMに分かりやすい名前やタグを付与すれば、さらに一覧性が向上します。端末を一時的に利用しない場合、回線をsuspend(休止)することもできますし、端末を紛失したら回線をオンラインで解約することもできます。
タブレット利用での懸念の1つにSIMの盗難があるでしょう。SOARCOMには「IMEIロック」という機能があります。タブレットのIMEIと、SIMのユニークID(IMSI)が一致した時のみ通信ができる仕組みです。これで、SIMの差し替え利用を防止できます。この機能はSORACOM IoT SIMの基本料金内で利用でき、またログもあるため情報管理の点からも是非使っていただきたい機能です。
ネットワーク上のセキュリティや管理向上に役立つのがSORACOMのVPG(Virtual Private Gateway)です。
VPGは多くの機能を持っています。その中でも「アウトバウンドルーティングフィルタ」は、通信先をIPアドレスで指定できる機能です。利用先のWebサイトやクラウドサービスを制限できるので、不要な通信を防ぐのと同時にセキュリティ向上が図れます。
また、VPGの「固定グローバル IP アドレスオプション」は、SORACOMからインターネット側に出ていく際のIPアドレスを固定できます。業務アプリケーションへのアクセスをIPアドレスで制限することでセキュリティを確保しているシステムに役立ちます。
さらにVPGでは、クラウドやオンプレミス環境と「閉域網(プライベートネットワーク)」が作れます。このネットワークでは、もはやインターネットに出ることなく、イントラネットのように業務アプリケーションが使えるため、機密データを扱う場合に適しています。
閉域網に関しては以下の記事もご覧ください。
以上のように、業務用のタブレット端末でソラコムのサービスを利用することには、多くのメリットがあります。SORACOMの通信サービスと合わせて、ソラコムからタブレット端末を提供することで、そのようなユースケースにおいて、さらにシステム構築のハードルを下げることができると考えています。
まとめ
SORACOM IoT ストアでaiwaのAndroidタブレット、aiwa tab AB10Lの販売を開始しました。業務用のタブレット端末でソラコムを利用することには、多くのメリットがあります。aiwa tab AB10Lは、お求めやすい価格で、SIMフリータブレットに求められる機能を備えています。業務用のタブレット端末の導入を検討されている場合、ぜひSORACOMの利用をご検討ください。
― ソラコム堀尾 (hori)
投稿 Android 13搭載、10.1インチSIMフリータブレットの販売開始 は SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。
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