Logic ProのAIは音楽創作の可能性を広げられるか?
アップルの音楽制作アプリケーションにはLogic Proのほか、アマチュアの音楽クリエイターや学校教育の現場などでも親しまれている「GarageBand」があります。このアプリケーションもMacとiPadの両方に対応しています。
いずれのアプリケーションでもアップルの開発姿勢は一貫しており、「クリエイターのためのツールメーカーに徹すること」です。Logic Pro 2の新機能もまさしく、クリエイターの創作活動に資するために開発されています。
音楽や写真、動画などを自動生成するAIがクリエイターの活躍や著作物の権利を脅かす可能性について懸念を示す声もあります。Logic Pro 2のSession Playersを実現しているAIは、アップルの試みに賛同した一流プレーヤーたちとのコラボレーションを通じてトレーニングされています。またLogic Proは音楽制作の専門家向けに開発されたアプリケーションであり、ユーザーがこれを使いこなすためにある程度技術の習熟が求められます。次世代の音楽文化の発展に向けて、AIを上手に使いこなせるリテラシーの高いクリエイターが注目するツールになると筆者は感じました。
新しいLogic Pro 2を創作活動に役立てているクリエイターの声を取材して、報告できる機会もまた見つけたいと思います。
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。