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取引先システムとの電子インボイス発行/受領オプション、紙/PDF請求書処理の煩雑さを解消

キヤノンITS、「SuperStream-NX 統合会計」にデジタルインボイス機能追加

2024年04月22日 13時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2024年4月22日、財務会計システム「SuperStream-NX 統合会計」の新機能として、Peppolネットワークを介したデジタルインボイス(電子インボイス)発行/受領に対応する「SuperStream-NX デジタルインボイスオプション」を発表した。利用料金は年額9万円(税抜)からで、6月1日より提供を開始する。

 キヤノンITS 常務執行役員でSuperStream統括本部長の村松昇氏は、昨年10月にスタートしたインボイス制度によって、従来型の紙やPDFによる請求書のチェック業務が煩雑化し、経理担当者の作業量が増加していることを指摘。今回のデジタルインボイスオプションを提供することで、そうした煩雑な作業からの解放を図りたいと話した。

新機能「SuperStream-NX デジタルインボイスオプション」の概要。Peppolネットワーク経由で標準仕様(JP PINT)に基づく適格請求書の発行/受領に対応する

キヤノンITソリューションズ 常務執行役員 デジタルイノベーション事業部門担当 SuperStream統括本部長の村松昇氏。従来の紙やPDFによる請求書の授受からデジタルインボイスへの移行を支援することで、バックオフィスのDXを推進したいと語った

取引先システムとのデジタルインボイスの発行/受領が可能に

 SuperStream-NXでは、毎年1回(6月)にバージョンアップを図り、機能を追加してきた。今回は統合会計分野において、デジタルインボイスオプションを提供開始する。

 デジタルインボイスは、発行側/受領側の会計システムどうしが直接、標準仕様(JP PINT)に則った請求書データをPeppolネットワーク経由でやり取りすることによって、請求処理と支払処理の効率化を図る仕組み。紙やPDFによる従来の請求書発行/受領作業では、発行、送付、受領後のデータ入力などに大きな手間がかかっていたが、そうした作業負荷が軽減される。また、データ形式は標準化されているため、異なるベンダー製の会計システム間でも請求書の発行/受領が可能。

紙、PDFによる請求書発行とデジタルインボイス発行による作業負荷の違い

 今回のSuperStream-NX デジタルインボイスオプションでは、デジタルインボイスにおける発行側/受領側双方の機能を提供する。

 発行側機能としては、取引先マスタや債券伝票の各項目とJP PINTの標準要素のひも付け/自動変換機能、発行したデジタルインボイスの自動保管機能などを備える。取引先の対応状況に応じて、デジタルインボイスだけでなく引き続き紙やPDFの請求書発行も選択できる。

デジタルインボイスオプションの発行側機能

 受領側機能では、受信したデジタルインボイスごとのステータス管理ができるほか、一件ごとの内容をドキュメント形式で可視化する機能、支払伝票の計上処理機能などを備える。

デジタルインボイスオプションの受領側機能

 なおキヤノンITSでは、来年6月に予定するバージョンアップ(同オプションの“フェーズ2”)において、受領したデジタルインボイスから支払伝票を自動起票する機能も追加する予定としている。

来年のバージョンアップでは、受領したデジタルインボイスから自動的に支払伝票を作成する機能を追加予定

 同オプションの利用にはSuperStream-NX 統合会計が必要で、基本料金(税抜)は年額9万円。ここには送受信時のPeppolネットワーク(アクセスポイント)利用料金と、年間2400枚までのデジタルインボイス発行/受領料金が含まれる。2400枚を超える利用時には別途追加料金がかかる。

 キヤノンITSでは同オプションの導入目標社数について、2025年中に43社、2029年までに420社(累計)を掲げている。

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