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OpenAI「GPT-4」日本語特化のカスタムモデル発表 日本法人開設に合わせて

2024年04月16日 09時45分更新

文● 田口和裕

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 OpenAIは4月14日(現地時間)、アジアでの最初の拠点として東京にオフィスを設立したことを発表。同時に、日本語に特化して最適化されたGPT-4カスタムモデルの提供開始も明らかにした。

元AWS日本法人社長の長﨑忠雄氏が社長に就任

 新たに設立された日本法人「OpenAI Japan」では、政府、地元企業、研究機関と協力し、日本独自のニーズに応える安全なAIツールの開発を目指す。

 同法人の社長には元AWSジャパンの社長を務めた長﨑忠雄氏が就任。「セールスと事業開発をリードし、併せて渉外、製品およびサービスに関する計画、コミュニケーション、オペレーションなどを担うチームを構築」と述べている。

前モデルと比較して最大3倍の高速処理が可能

 今回発表された「日本語に特化して最適化されたGPT-4カスタムモデル(正式名称は不明)」は、日本語のテキストの翻訳と要約のパフォーマンスを向上させ、前モデルの「GPT-4 Turbo」と比較して最大3倍の高速処理が可能。コスト効率も優れており、企業にとって導入しやすいモデルとなっている。

 すでにこの技術を活用している日本の英語学習アプリ大手「Speak」では、ユーザーが間違えた際のチューター(指導者)の説明速度が2.8倍に向上。さらに、トークン数の削減により処理コストが47%も削減されたことで、より高品質なフィードバックを提供できるようになったという。

 OpenAIはこのカスタムモデルを数か月以内に、APIを通じてより広く提供していく予定だ。

日本の官民で普及するChatGPT

 ダイキン、楽天、トヨタコネクテッドといった日本の大手企業ではChatGPTエンタープライズを導入し、業務の自動化やデータ分析、社内報告の効率化を進めているなど、すでにChatGPTは日本企業で急速に普及しつつある。

 自治体でも活用が広がっており、横須賀市は全職員の80%が生産性向上を実感するなど、行政サービスの質の向上につながっており、横須賀市は東京都や神戸市など21自治体とネットワークを形成し、ChatGPT活用のベストプラクティスを共有している。

 また、日本政府もAI政策で世界をリードすべく「G7広島AIプロセス」を主導。人間の尊厳や多様性、持続可能性といった価値観に合致したAI社会の実現を目指している。

 OpenAIは日本の官民のエコシステムに貢献し、日本の社会的課題解決にAIがどう役立つかを模索。日本を含む各国の多様な視点に学びながら、AGI(汎用AI)の恩恵を人類全体に行き渡らせる使命の実現を目指すとしている。

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