Androidとは本格的に訣別するのか
次期「HarmonyOS Next」にも強気の姿勢を見せる
OSでも制裁を受けているファーウェイが進めているのが、自社開発の「HarmonyOS」だ(正確には米国の制裁が明確になる前から、社内で開発が進んでいた)。
ファーウェイは2024年に入り、「HarmonyOS Next」として次期OSを発表した。開発者向けプレビューリリースの段階で、一般公開は2024年中の予定だ。それまでAndroidとの類似性が指摘されてきたHarmonyOSだが、NextはAndroidが採用するLinuxカーネルではなく、独自のカーネルを用いるという。その結果、端末の性能は30%改善するとアピールするが、これまでのAndroidアプリが動かないため、アプリのエコシステムがどうなるのかという疑問は残る。
それでもファーウェイは強気だ。すでにHarmonyOSの認定を受けた開発者は38万人、Harmony向けアプリ開発は最低でも300万人の雇用を生むと中国の経済誌Caixinは報じている(https://asia.nikkei.com/Spotlight/Caixin/Huawei-s-HarmonyOS-Next-is-set-to-rival-iOS-and-Android-in-China)。
ファーウェイによると、2023年に研究開発に充てた額は1647億人民元(3兆4900億円)。同社売上の23.4%に相当する額だ。この10年で研究開発に1.1兆人民元を投じているとのことだ。
ところで、ファーウェイは非公開企業であり、財務報告の義務はない。これら数字は同社が自主的に公開しているものだ。同時に毎年記者発表会を開催していたが、今年はなし。なぜなのか、ちょっと気になるところだ。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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