ASUSは、製品ごとに様々なブランド/シリーズを展開している。ビジネス向けの「PRIME」や、ゲーミング向けの「ROG」「TUF Gaming」など、それぞれデザインや機能など特徴が異なっており、ユーザーの好みに合わせたものを選択できるのが魅力だ。
また、同社のクリエイター向け製品として「ProArt」シリーズも有名だ。PCパーツからディスプレーなどのデバイス、ノートPCといった、デザイン分野で受賞歴もある幅広い製品をラインアップしている。
そんなProArtから、新たなPCケース「ProArt PA602」が2月に登場した。本稿では、クリエイター向けのPCケースならではの仕様が備わったこのケースの特徴を、実際に組んでみた所感を含めて紹介していこう。
驚愕の200mmファン!エアフロー対策抜群の筐体
ProArt PA602はプロのクリエイター向け製品ということで、フルタワーサイズの大型ケースとなっている。サイズは245(W)×593(D)×560(H)mmで、マザーボードのフォームファクターはE-ATXまでサポートしている。実売価格は4万7000円前後。
全体的なデザインとしては、ゲーミングモデルのようなLEDはなく、機能性重視の外観だ。フロントパネルはほぼ全面メッシュ構造で通気性を高める設計。15.5mm幅の縦格子状プラスチックカバーで保護はしているが、最大限に空気を取り込めるようになっている。
そんなフロントパネルを取り外すと見えるのが、このケースで最も目を引くといってもいい、200mmの巨大フロントファンだ。厚みも38mmあり、かなり目立つ。実際、筆者が編集部でPCを組んでいる時も、自作に慣れた編集部メンバーに「なにそのデカいファン!?」と驚かれたほどだ。
また、フロント部分には面白い機能がある。フィルター部分に取り付けられたセンサーによってほこりを検知する「フロントパネルIRダストインジケーター」だ。これにより、フロントパネルのフィルターにほこりが溜まった際にお知らせしてくれるので、意識していなくても掃除するタイミングを知ることができる。
フィルターが詰まるのを防ぎ、常に最適なエアフローを実現できるようになるというわけだ。
インターフェースにも特徴がみられる。まず、右端にあるのが電源ボタンだが、その横に南京錠のアイコンが付いたつまみがある。上はロックが外れており、下はロックされているアイコンだ。
これはスイッチのロックになっていて、つまみを下ろすことで電源ボタンを押し込めない作りになっている。意図せず電源を入れたり、また、作業中に強制終了されたりといったことを防ぐためのものだろう。
ポート類は、USB 2.0とUSB 3.2 Gen 1(USB 3.0)がそれぞれ2基ずつ、中央のUSB Type-CはUSB 3.2 Gen 2x2で20Gbpsに対応する。
左端には、ファンの動作設定をコントロールするスイッチが搭載されている。オート設定とフル回転設定に切り替えられるので、レンダリング作業など高負荷な状態が長時間続くような作業では、フル回転にサクッと切り替えられる。
また、キャスターを取り付けられるというのもワークステーションらしい特徴だ。ケース自体も15.9kgと重量があるので、移動させるような環境にある場合はパーツを組み込む前に取り付けておくといいだろう。