このページの本文へ

マウス肺とヒト細胞で作った人工肺の移植術に成功=東北大など

2024年04月10日 14時33分更新

文● MIT Technology Review Japan

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

東北大学とトロント大学の共同研究チームは、マウス肺から細胞を除去し、その中にヒト細胞を培養定着させることで、移植可能なハイブリッドバイオ人工肺のプロトタイプを開発。ヒト細胞で再生したマウス肺をマウスに移植し、血流再開に成功した。

東北大学とトロント大学の共同研究チームは、マウス肺から細胞を除去し、その中にヒト細胞を培養定着させることで、移植可能なハイブリッドバイオ人工肺のプロトタイプを開発。ヒト細胞で再生したマウス肺をマウスに移植し、血流再開に成功した。 研究チームは今回、実験動物肺移植の技術を応用し、顕微鏡下手術により極小サイズのマウス肺を還流培養サーキットに接続。このマウス肺から細胞を完全に取り除き、そこにヒト由来の血管内皮細胞を注入して臓器培養をしたところ、細胞が完全に取り除かれた肺に新たな肺血管網が再生されていることがわかった。 同チームはさらに、3000万個のヒト由来血管内皮細胞を注入し、毛細血管まで十分に再生された肺をマウスに移植。血管縫合後に血流の再開し、肺すみずみにまで血流が行き渡っていることを肉眼的にも顕微鏡的にも確認した 移植可能なバイオ人工臓器を作成する方法として、ドナーとなる動物臓器から動物細胞のみを取り除き、残った「鋳型」にヒト培養細胞を注入して臓器を再生する方法が有力視されている。今回、非常に少ないリソースで大量の実験を同時に実行できるプラットフォームが開発されたことで、バイオ人工肺開発スピードの向上することが期待される。 研究論文はサイエンティフィック・レポーツ(Scientific Reports)に2024年4月4日付けで掲載された

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ