3月29日サービス開始の「心斎橋POP」内部を披露、コンテンツ事業者などをターゲットに展開
オプテージ、関西圏の“コネクティビティDC”需要を受けた新サービスを説明
2024年03月25日 09時00分更新
コンテンツ事業者、海外企業などをメインターゲットに強みをアピール
オプテージの津田氏は、国内におけるトラフィック量が今後も急拡大を続けること(総務庁予測では今後10年間でおよそ30倍以上)、国内企業におけるクラウドサービス利用も加速していること、関西圏における大型データセンターの新設が相次いでいること(富士キメラ総研調査で、2024~2025年の国内データセンター新設計画の約3割を関西圏が占める)などを挙げて、大阪都心におけるコネクティビティデータセンターの必要性を説明した。
「膨大なトラフィックの集積地となるのがコネクティビティデータセンター。関西圏ではNTTデータの堂島データセンター、エクイニクスのOS1などが該当するが、この2社の場所(ラックスペース)もだんだんと空きが少なくなっていると聞いている。そこで、両データセンターに回線を提供している事業者のわれわれが、自社の光ファイバーで直結して心斎橋POPのサービスを提供していく」(津田氏)
心斎橋POPと曽根崎データセンターがまずターゲットとするのは、オンラインゲームや動画配信、ECサイトなどのサービスを提供するコンテンツ事業者だという。関西圏内でAWSやAzure、Google Cloudといったメガクラウドへのコネクティビティを求める声が高まっていることから、そうした顧客にアピールしていきたいと語った。
また、オプテージでは大阪~東京間の大規模なバックボーンネットワークのほか、米国/ヨーロッパ/アジアへの海外ネットワークも自社保有しており、海外の顧客に対しても誘致を進めたいと述べた。上述のコンテンツ事業者、海外企業顧客とも「東京にも接続拠点が欲しい」というリクエストが想定されることから、将来的には東京にもPOPを設置する構想があるという。
そのほか、現在でも全国の自治体や公共機関に回線を中心としたサービスを提供していることから、メガクラウドへのコネクティビティと共に、オプテージ自身が運営する国産クラウドサービスを提供できる優位性をアピールしていきたいとした。
なお、提供開始時の心斎橋POPは1ラック(フルラック)単位でのサービス提供となるが、顧客からは2分の1ラック(ハーフラック)や4分の1ラック単位での提供を求める声も上がっているという。すでにハーフラックの設置工事を計画しており、津田氏は「価格体系も含めたメニューを早急に検討していく」と述べた。加えて「ラックなし(コネクティビティのみ)」というかたちでのサービス提供の可能性についても、議論を進めているという。
心斎橋POPを拠点にMegaportもマルチクラウド/オンデマンド接続を提供
同説明会には、4月1日から心斎橋POPでDCIサービスを提供開始するオーストラリアのMegaportもゲスト出席して、同社サービスの特徴を紹介した。Webコンソールから簡単にネットワーク接続をオーダーできるライブデモも披露している。
Megaportは、世界中の850以上のデータセンターおよび、主要メガクラウドをはじめとする360以上のクラウドサービスプロバイダーとの閉域接続サービスを提供するDCI事業者だ。
Megaportのウィリアム・フレーザー氏は、SDN(Software-Defined Network)技術をベースとしてオンデマンドでネットワーク(レイヤー3接続)サービスを提供する「Megaport Cloud Router」サービス、SD-WANやSASEといったNFVの機能をオンデマンドで提供する「Megaport Virtual Edge」サービスを紹介した。データセンター/クラウド間の接続設定は、数分程度で完了するという。
またCOOのダーレン・ウィルソン氏は、Megaportでは現在、東京に8カ所、大阪に5カ所のPOPを保有しており、今回の心斎橋POPが大阪の6カ所目になると説明した。
ウィルソン氏は、心斎橋POPにMegaportのPOPを設置した理由について、オプテージが早くから海外へのコネクティビティ進出を図っており、海外マーケットにネットワークを拡大していくという方向性がMegaportと一致したこと、また、関西圏で海底ケーブル引き揚げ拠点が集中する三重県志摩と大阪都心を結ぶバックホール設備をオプテージが保有しており利便性が高いことの2つを挙げた。同社では、曽根崎データセンター(OC1)へのPOP設置も決定している。
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