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IoTデータ連携やデバイス認証の機能を提供するプラットフォーム「1NCE OS」を知る

“10年間 2000円”のIoT回線「1NCE」なら、開発/管理ツールも追加コストなし

2024年03月25日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ソフトバンク

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 IoT製品やIoTサービスを開発するうえでは、通信回線/SIMの高いコストや管理の手間、ソフトウェア開発の工数といった、いくつもの足かせがある。そうした障壁をまとめて解消し、IoT開発をより容易なものにしてくれるのが、低容量IoT向け回線の「1NCE IoTフラットレート」だ。

 ドイツ発のIoT通信専業グローバルキャリア、1NCE(ワンス)が提供するこの回線は、1枚2000円(税抜)のSIMカードを購入するだけで、10年間/500MBまでのIoT通信を利用できるプリペイド型の料金体系を採用している。日本およびアジアではソフトバンクが販売パートナーを務めており、日本語によるサポート体制(電話/Web)もあって安心だ。

 さらには「1NCE OS」として、IoTデータを変換してクラウドと連携するための各種サービスも、追加コストなしで利用できる。これによってソフトウェア開発のハードルがグッと下がり、IoT製品/IoTサービスの開発がさらにスムーズなものになる。

 今回は、IoT製品/IoTサービスの開発を強力にサポートする1NCE IoTフラットレート、そして1NCE OSの特徴をご紹介しよう。

通信コストや海外展開の悩みをまとめて解消! “部品”のように扱える回線サービス

 1NCEのひとつめの特徴が、プリペイド型で10年間利用できる、低容量IoT向けの回線サービス「1NCE IoTフラットレート」だ。専用サイト「1NCE Shop」から購入して、手元にSIMが届けば、最大500MBまでのIoT通信がすぐに利用できる。500MBまでならば追加コストは一切発生せず、500MB以上が必要になった場合は、容量の追加購入もSIM交換不要で可能となっている。

1NCE IoTフラットレートのSIMは「1NCE Shop」ですぐに購入できる(https://shop.1nce.com/)

 また、1NCEは世界165以上の国/地域のモバイルキャリアに対応している。したがって、日本で開発したIoT製品/IoTサービスを海外に展開する場合でも、現地キャリアとの契約やSIMの入れ替えは必要なく、ローミングの追加コストもかからない。

 SIMを搭載した製品を出荷する場合は、SIM/回線管理の仕組みも必要となるが、これも1NCEが追加コストなしでシステムを提供する。

 こうした特徴により、1NCE IoTフラットレートは「通信コストの予測や管理」「海外展開時の回線確保」「大量のSIM/回線管理」といった、IoT製品/IoTサービスの開発にまつわるさまざまな悩みを解消してくれる。つまり、まるで買い切りの“部品”のように手軽に扱えるIoT向けSIM――それが1NCEなのだ。

 IoT製品/IoTサービスに組み込みやすい特徴を持つことから、1NCE IoTフラットレートの導入社数はグローバルで1万8000社、契約回線数は2200万回線に達している(2024年2月時点)。ユースケースは、設備管理からスマートインフラ、工場IoT、農業/畜産、コンシューマー製品まで幅広い。

 たとえば、AI通訳機「ポケトーク」では、プリペイド型で安価に利用できること、海外でも追加のローミングコストがかからないこと、SIMの管理/運用工数を大幅に削減できることなどの理由から、次期モデルに1NCE IoTフラットレートを採用する。

◎「1NCE IoTフラットレート」の詳しい特徴は、こちらの記事で⇒
 プリペイドIoT SIM「1NCE」が狙う、日本のIoTビジネスの大変革とは

IoTソフトウェア開発に必要な機能を提供する「1NCE OS」

 1NCEのもうひとつの特徴が、IoTデバイスとクラウドの間で認証処理やデータ連携などをサポートしてくれる「1NCE OS」である。

 IoTデバイスのソフトウェア開発においては、デバイスの認証や稼働状態の管理、接続先のシステムに合わせたIoTデータ(プロトコル)の変換など、さまざまな機能が必要になる。こうした機能を、オープンソースの開発ツールキット(SDK)やクラウドサービスを通じて提供するのが1NCE OSだ。

 1NCE OSは、現時点で次の5つのツールをラインアップしており、ユーザーが開発するソフトウェアに組み込んで利用できる。先に述べたとおり、これらを利用する場合も追加コストはかからない。

●Device Authenticator:デバイス認証機能
●IoT Integrator:データ転送支援/プロトコル変換機能
●Device Inspector:データストレージ機能
●Device Locator:デバイス位置情報機能
●Energy Saver:電力消費/通信量節減機能

 1NCE OSの主要なツールについて説明しておこう。

 Device Authenticatorは、SIMカード固有の認識番号(ICCID)を用いて、デバイス認証機能を提供するサービスだ。これを利用することで、デバイスの製造時に固有IDを設定することなく、クラウドサーバーへのセキュアなオンボーディング(接続)が可能になる。

1NCE OS「Device Authenticator」の概要

 IoT Integratorは、IoTデバイスが送信するデータをリアルタイムにプロトコル変換して、クラウドサーバーへ転送する。対応プロトコルは、デバイス側がUDP、CoAP、LwM2M、クラウド側がAWS IoT Core、HTTPS Webhookだ。また、デバイス側でデータの暗号化処理を行わない場合でも、IoT Integratorが代わりに暗号化してからインターネット/クラウドに転送することで、セキュアな通信が可能となる。

1NCE OS「IoT Integrator」の概要

 Device Inspectorは、デバイスが送信したすべてのデータを最大7日間分保存する。クラウドサーバーなどに障害が発生してもデータを失わずに済むほか、テレメトリデータ(位置情報、エラーコード、死活状態など)を保存しておくことで、サポート担当者がリモートからデバイス側の問題を診断できる。なお、保存されたデータはAPIや1NCEポータル経由で参照できる。

1NCE OS「Device Inspector」の概要(※この機能はIoT Integrator内で提供されている)

詳しい技術資料やAPIドキュメント、サンプルコードも用意

 1NCE OSの使い方を解説した開発者向けドキュメントやサンプルコードは、「1NCE Developer Hub」で公開されている。画面左のメニューで「1NCE OS」の項目にある各ツール名をクリックすれば、それぞれのドキュメントが参照できる。

 なお、掲載されているドキュメントは英語だが、シンプルな技術資料なので、ブラウザの翻訳機能を使えば内容は簡単に理解できるはずだ。

◎1NCE Developer Hub:1NCE OS関連の技術ドキュメント
  ・Services Overview(サービスの概要)   ・Device Authenticator
  ・IoT Integrator   ・Device Inspector   ・Device Locator   ・Energy Saver

1NCE OSの技術資料は「1NCE Developer Hub」で公開されている(画面はブラウザの翻訳機能を使って日本語で表示させたサンプルコード)

 さらに、Developer Hubの画面上部にある「API Explorer」タブをクリックすると、APIドキュメントも参照できるようになっている。これも画面左のメニューから、調べたいAPIの項目をクリックすればよい(画面右上にあるSearchフォームから全文検索も可能)。

Developer HubではAPIドキュメントも公開されている

 1NCE OSのSDKとクラウドサービス、Developer Hubを活用することで、ソフトウェア開発のリードタイム短縮や開発工数の削減、さらには開発コストの低減が実現する。

* * *

 1NCE OSの活用事例も増えている。たとえばカウベル エンジニアリングでは、さまざまなセンサーや装置をIoT化するエッジデバイス「NailEdge(ネイレッジ)」の開発において、1NCE OSの機能をフル活用している。NailEdgeでは、通信費用/クラウドのデータ保存費用/メンテナンス費用が不要という“ランニングコストフリー”をうたっているが、そうしたユニークな製品が実現できたのは1NCE OSの存在があってこそだろう。

 1NCEのSIMカードは1枚から購入することができる。そして、通信回線も1NCE OSもすぐに利用スタートが可能だ。IoT製品/IoTサービスの開発に携わる方は、新たなアイディアの実現を容易なものにする1NCEをぜひ試して、その実力を検証していただきたい。

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