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【2024年提出】確定申告ガイド 第19回

【2024年提出】確定申告のやり方、インボイスで変わる? 重要なポイントを徹底解説

2024年02月22日 12時10分更新

文● 松下典子 編集●飯島恵里子/ASCII

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Point3
請求書や領収書を洗い出そう

 白色申告でも青色申告でも、必須となるのが「収入(売上)と支出(経費)」の記帳だ。作業をスムーズに進めるため、収入の証明になる請求書や支払通知書、支出の証明になる領収書やレシートを集めて整理しよう。消費税の課税事業者で本則課税の場合は、受け取った請求書やレシートの登録番号もチェック。取引先がインボイス発行事業者かどうかわからないときは、登録番号を問い合わせておこう。

 収入については、自分の発行した請求書や取引先からの支払明細書などをまとめておく。二重記帳にならないように、請求書と支払い明細書のどちらをもとに入力するかを決めておこう。

 支出は、紙のレシートや領収書を取引の種類(消耗品や光熱費など)別に分けて、月ごとに整理しておくといい。

 2023年までに電子データで発行された請求書や明細書、領収書も忘れずにダウンロードし、印刷して保存しておこう。メール添付ファイルやウェブからダウンロードしたデータは取引先や月別にフォルダーで整理し、ファイル名は日付や取引先名に変更しておくとわかりやすい。ウェブ明細書などは期限を過ぎるとダウンロードできなくなることもあるので、そのときは再発行の手続きをして入手しよう。

 なお、2024年1月以降の電子取引については、要件に従ったデータの保存が義務化され、原則として紙での保存が認められなくなる。しかし、システム費用や事務処理の手間など、個人事業主には負担が大きいため、猶予措置が設けられている。データそのものを保存するとともに、プリントアウトした書面を整理しておけばOKだ。

 ポイントは、紙で受け取ったものは「紙のままで」保存、電子データはデータを保存すること。法人は最長10年間、個人の場合は最長7年間保存しなければならないので、消えない場所・方法で保管しよう。感熱(サーマル)紙のレシートは空気や光に触れると文字が消えやすいので、ジップ袋などに入れて収納するといい。電子データはPCの故障でデータ消失しないように、外部メディアやクラウドにバックアップを取っておくと安心だ。

 また、紙で受け取ったものは、スキャンしたデータを要件に従って保存する「スキャナ保存」を任意ですることもできる。

●これって経費になるの? ならないの?
 支出のうち、所得税・住民税などや所得控除の対象になるものは経費にはならない。国民年金や健康保険などの社会保険、自分で加入している生命保険、地震保険、小規模企業共済、個人型確定拠出年金(iDeCo)、ふるさと納税、一定額以上の医療費は控除の対象なので領収書を分けておこう。

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