「クラウドゲーミング」「ミニアプリ」開放も大きな影響あり
ただ個人的に見るなら、EU圏向けのルール改正と同等以上の影響がありそうな変化が同時に起きたことも見逃せない。
それは「全世界のApp Storeで、ストリーミング・ゲームやミニアプリ、チャットボットなどの提供を認める」というルール改正だ。
これまでアップルは、「アプリ内で別のアプリ動作環境が生まれる」ことを良しとしてこなかった。Xbox Cloud GamingやGeForce NOWのようなクラウドゲーミングアプリが認められてこなかったのもそのためだ。
だが話はそれだけにとどまらない。
アプリ内で「ミニアプリ」「チャットボット」などを提供する場合、それを発見しやすくし、サブスクリプションなどの提供も可能になる。
そうすると、「アプリ内にミニゲームのマーケットプレイスを作る」ことや「チャットボットによる複雑な処理系」をウリとしたアプリ・サービスの構築が容易になる。結果として、いわゆる「スーパーアプリ」や「ミニゲームアプリ」などのビジネスを活性化しやすくなる。
ここに「外部決済可能」という要素が加われば、「App Store経済圏を守りつつ、ビジネスの自由度を上げる」ことが可能になってくる。
これもまた、外部ストアへ流れる事業者を減らす策の1つだろうし、それがEU規制対応の前に全世界(すなわち日本も含まれる)でオープンになるのは、なかなか象徴的なことだという印象を受けているのだが、どうだろうか。