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知らないと申請できない約100の支援制度を被災者に届ける

国の被災者向け支援制度をAIが回答 ― 能登半島地震を受けNan Naruが無償公開

2024年01月21日 07時30分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 WEBコンテンツ制作や広告を手掛けるNan Naru(ナンナル)が、「能登半島地震 被災者支援AI」を無償で公開している。同社は本社を東京に構え、富山市に支店を持つ企業。

 本サービスでは、被災者が困っていることをAIチャットボットに質問すると、内閣府が公表する住宅支援や生活支援、医療支援といった約100の被災者制度から、該当する支援を回答してくれる。

 例えば、地震による怪我の治療や通院費の支援について尋ねてみると、「災害障害見舞金」の制度が紹介され、支給額や問い合わせ先、情報元(PDFファイル)へのリンクも提示された。

「能登半島地震 被災者支援AI」で困りごとを質問した例

 内閣府では被災者支援の各種制度をウェブサイトを公開している。支援制度は充実しているが、概要をまとめたPDFは60ページもあり、該当する支援をすぐに見つけることは難しい。そもそもどのような支援が用意されているかを知らないと、申請することもできない。このような課題を解決するサービスだ。

 なお、サービス名は「能登半島地震」となっているが、国の制度は特定の災害に限定したものではないため、その他の被災全般でも活用できる。

 本サービスは、ReAlice(リアリス)のカスタマーサポートツール「アシストーク」により構築されている。同ツールは最短5分でチャットボットを構築できるのが特徴だという。

 また、生成AIが誤情報を生成してしまうハルシネーションの問題を低減できるよう、AIが外部の知識データベースを参照して回答するRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)の手法を用いており、今回のような既存情報を見つけ出す目的でのチャットボットの構築に寄与している。

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