2ヵ月分の料金でスマホが1台ついてくる!
毎年1月はアメリカ・ラスベガスで開催される「CES」の取材で現地に長期滞在します。今回もラスベガスの滞在は約2週間。これだけ長くいると現地で電話をする機会もあるため、現地電話番号が必要になります。そこで地元キャリアのお店に行ってプリペイドSIMカードを買おうと考えたのですが、せっかくなのでプリペイドスマートフォンもセットで買ってみることにしました。
ラスベガスの繁華街の中心地を南北に走る通称ストリップ(ラスベガス・ブールバード・サウス)通りにはT-Mobileの店舗があります。観光地のど真ん中にあるお店だけに、海外からの渡航者の案内にも慣れているお店です。筆者も毎年ここを訪れてプリペイドスマートフォンを買っています。今回は時間がなかったので店に入るなりスタッフに「プリペイドスマホあります?」と聞いて案内されたのが2機種。
機種名も何も説明がないのは、そもそもプリペイドスマートフォンを買う人はスペックを気にしないということなのでしょう。「左がサムスン、右がモトローラだけど、モトローラは5Gだしこちらがいいよ」とのこと。具体的な端末名の説明もありません。
その時は一旦ホテルに戻り、翌日改めて訪問して価格を確認すると、どちらのスマートフォンも「月50ドルのプリペイドプランを2ヵ月分、つまり100ドル(約1万4500円)払ったら、スマホはタダ」とのこと。サムスンは4Gモデルの「Galaxy A03」のようで、一方モトローラは5G対応の「moto g 5G」。確かに同じ価格ならmoto g 5Gのほうがいいですね。ちなみにmoto g 5Gは2023年5月発売の製品。Snapdragon 480 Plus 5Gに4800万画素カメラを搭載し、定価は199.99ドル(約2万9000円)。実質半額で買える計算です。
ということで、このmoto g 5Gを購入することにしました。T-Mobileのプリペイド50ドルプランは通話・SMS・データが無制限。テザリング接続は3Gとなります。今回は1ヵ月しか滞在しないため、来月分の50ドルは無駄になりますが、約1万5000円で5Gスマートフォンとデータ定額回線が入手できるのですから悪くはありません。
なお、パッケージはエコパッケージということで再生紙を使っているようで、かなり薄いサイズ。これで輸送時のコストも下げられるわけです。付属品はUSB Type-Cケーブルのみですが十分でしょう。
本体の性能はチップセットを考えればそれなりでしょうから、あまり気にするものではないでしょう。それよりも気になるのは、T-Mobileの5Gの通信速度です。ラスベガスのストリップの中心地で測定したところ、下りは600Mbps弱、上りは100Mpbs弱でした。ここまで出れば快適で、YouTubeも高画質でサクサク見ることができます。
せっかくなのでSIMカードを抜いて、ほかの端末に入れて使ってみようと思います。ところがSIMスロットを開いてみると、nano SIMカードがありません。moto g 5Gは5Gスマートフォンとしてはエントリークラスですが、eSIMに対応しているのです。これはアメリカ販売のiPhoneがeSIMのみ対応になったことからわかるように、アメリカではeSIMが当たり前になっているからエントリー機でも対応させる必要があるのでしょう。
この端末はSIMロックがかかっていますが、eSIMにしておけば端末をロック解除されて端末だけ転売されるおそれもなく、キャリアにもメリットがあるかもしれません。そこまで考えなくとも物理的なSIMカードをセットしないだけでもコストダウンになるでしょう。
このeSIMはT-Mobileの店舗へ行けばnano SIMへの変更、あるいはほかのeSIM端末への転送ができるかもしれませんが、今回は時間がないためここまで。次回アメリカに行くときにそのあたりを試してみようと思います。
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