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山根博士の海外モバイル通信 第681回

エイサー(acer)のスマホが中南米で復活、7機種のラインナップでシェア拡大を狙う

2024年01月01日 12時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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エイサーのSOSPIROスマートフォンが登場

acerのスマホ、中南米で新モデルが発売

 PCメーカーのエイサー(acer)のスマートフォンを覚えているでしょうか。「Liquid」のブランド名で、過去には日本でもAndroidやWindows Phone端末を出していました。しかし、最後のLiquidシリーズが海外で販売されたのは2016年。それ以降はスマートフォンを出していませんでした。ところが中南米、ラテンアメリカ地域で新たに「SOSPIRO」ブランドのスマートフォンの展開を始めています。

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SOSPIROのブランド名で展開している

 中南米のスマートフォン市場は年間出荷台数が約1億2000万台で、全世界の出荷台数12億台の約10%を占めています。5Gへの移行はまだまだこれからであり、今でも低価格な3Gや4Gのモデルが売れる市場です。エイサーは低価格モデルを出すことでブランド力を浸透させ、5G時代には格安5Gスマートフォンで勝負をかけようと考えているのかもしれません。またブランド力アップは同社のPC製品の売り上げアップにもつながります。

 エイサーのラテンアメリカ地区のウェブページを見ると、2023年12月時点で7機種が販売されています。スペックはミドルレンジで、通信方式は3Gまたは4G対応。おそらくどこかのメーカーのOEMまたはODM品と思われますが、背面のグリーンの「acer」ロゴがいい感じのワンポイントアクセントになっており、意外とカッコいい仕上がりです。

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acerロゴがカッコいい

 ラインナップは「A」シリーズ、「AX」シリーズ、「AC」シリーズに分かれるようです。各製品の大まかなスペックは以下の通りです。それぞれ通信方式/チップセット(UNISOC)/ディスプレー/カメラ/バッテリー、です。

Aシリーズ

A60:3G/SC7731E/6型HD+/800万画素カメラ/3000mAh
A60L:4G/SC9832E/6型HD+/800万+200万画素カメラ/3000mAh
A61LX:4G/SC9863/6.08型HD+/1600万+200万画素カメラ/3000mAh

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3GモデルのA60。背面デザインもなかなかいい

AXシリーズ

AX61:4G/T610/6.52型HD+/5000万+500万+200万+200万画素カメラ/5000mAh
AX64:4G/T610/6.52型HD+/5000万+500万+200万+200万画素カメラ/5000mAh
AX85:4G/T610/6.82型HD+/5000万+500万+200万+200万画素カメラ/5200mAh

 AX61はメモリー構成が4GB+128GB、AX64は6GB+256GBで、それ以外のスペックは同一です。

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シリーズ最上位モデルのAX85

ACシリーズ

AC81:4G/T610/6.82型HD+/5000万+500万+200万+200万画素カメラ/5200mAh

 AX85はメモリー構成が8GB+256GB、AC81は6B+128GBで、またカメラ周りのデザインをAX85と若干変えています。

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AX85のカメラデザインとメモリ構成を変更したAC81

 こうしてまとめると実際は5モデル(1つはデザインバリエーション違い)なのですが、製品数を増やすことで販売店での専有面積を広げるとともに、ユーザーへの選択肢も広げることができます。なお、現時点では南米キャリアのTelcelでの販売になるようで、2年間の保証付きで販売されます。

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Telcelで販売される

 エイサーのモデルが日本に出てくることはないでしょうが、現地で人気が出てくれば、数年後には中南米でメジャーなスマートフォンメーカーとして知られる存在になるでしょう。将来エイサーの格安5Gスマートフォンが出てきたらぜひ使ってみたいですね。

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