成長を続けるものの「まだまだ」と語る井田氏、サードウェーブの今後の展望・戦略とは?
成長続けるサードウェーブは今後どうなる? 戦略のキーマン、井田副社長に聞いてみた
2023年12月27日 14時00分更新
今までどおり、もしくは今まで以上に加速して新店舗を展開
その地域に合わせた店舗づくりを目指す
──サードウェーブさんのお取り組みとして印象深いのが、新店舗展開です。どんどん新店舗が増えていると思いますが、こちらの戦略について教えてください。
井田氏:ドスパラ店舗はGALLERIA Lounge含めて全国に46店舗(取材時時点)ございまして、うち2023年にオープンした店舗は合計8店舗となります。とはいえまだ出店できていない都道府県もございますので、よりたくさんのお客様に、私どもが作る製品を知って、手に取っていただきたく、今までと同じペース、もしくはそれ以上の加速をして店舗数を増やしていきたいというふうには考えております。ただ、これは当然場所の問題や、そこで私どもの店舗がお役に立てるかどうかというのもしっかりと検証したうえで店舗展開をしていかなくてはならないとも考えています。
──各店舗ごとの特徴もちょっとずつ違いますよね
井田氏:ドスパラの店舗は札幌にも、青森にも沖縄にもあります。地域による特性の違いもあり、各店舗に来て下さるお客様が、秋葉原本店とまったく同じではないと考えております。そういった地域ごとの特徴・特色も踏まえた店舗展開を、今後は今まで以上に考えていきます。店舗に立ち寄ってくださったお客様が見て体験していただくことで、ワクワクしていただけるような店舗づくりを目指していきます。
──最近出店された新店舗の中には、オリジナリティーのある展示も多いですよね。こういった展示はどういったところで決められているのでしょうか。
井田氏:弊社の中で店舗担当のチームがございますが、当然そのお店や現地で実際に働いているスタッフの声もフィードバックしながら、全体的に考えていくというのが私どものスタイルです。また、近くに大学や高校がある店舗もございます。そういった場所であれば、学生のお客様に向けてどういう製品が上手くフィットするかで品揃えを考えないといけないでしょうし、ファミリー層のお客様が多いところであれば、より一般ユーザー向けの製品を増やさなくてはという考え方も必要だと思っています。
スペシャリティーな製品とカスタマイズ性は法人でも強みに
──raytrekでプロのクリエイター向けパソコンやワークステーションを展開されていくというのは先ほど伺いましたが、そのほかのビジネス向けのパソコンの戦略はどのように進められていくのでしょうか?
井田氏:従来から私どもの得意分野であるスペシャリティーなパソコンと、カスタマイズ性。こちらの2つは、法人のお客様へのニーズも大きいのではないかと考えております。また、かつてのTHIRDWAVE Proは、THIRDWAVEとraytrekブランドに集約して、さまざまな業界のニーズに合わせたようなスペシャリティーな製品展開をしていくことを目指しています。
──THIRDWAVEおよびraytrekのビジネス向けモデルとしての特徴はどこでしょうか?
井田氏:先ほども申し上げましたとおり、raytrekブランドではクリエイターPCとしての位置づけはもちろんのこと、設計やデザインを始め、AIパソコンとしての製品展開を、THIRDWAVEブランドでは1kgを切るノートパソコンや、ボックスタイプのパソコンなど、ビジネスやパーソナルに使用するうえで快適な環境を提供できる製品のラインアップを拡充してまいりたいと思います。
──発表会では、文教向けのパソコンにも注力されていくとのことでしたが
井田氏:文教向けも法人向けと同じ軸で展開しますが、従来からの高等教育向けのパソコンの展開に加えて、例えば理系やデザイン系、美術系の学校や専門学校には、用途にあったクリエイターパソコンを、さらには高校のSTEAM教育に向けたようなスペシャリティーのあるパソコンといった製品も、企画開発して展開していこうと考えています。
──法人・文教向けのパソコンは、製品はもちろんサポートも重要だと思うのですが、海老名にカスタマーサポートセンターを新たに構えたというのは、今後法人・文教向けもさらに注力するということだったのでしょうか?
井田氏:おっしゃるとおりで、カスタマーサポートセンター(関連記事)ではお客様のサポートに加えて、パソコンにおけるテーラーメイドとしての役割もになっており、さまざまな用途に最適化できるカスタマイズといったお客様のニーズに合わせたパソコンのご提案を、ご購入前にさせていただくことが可能です。例えばですが、こういった用途で何台ほしいというご相談ももちろん承りますので、パソコンの導入を検討されている企業様でも、ぜひご連絡いただければと思います。
──ビジネス向けモデルのサポートだけでなく、購入前の相談もカスタマーサポートセンターが担っているというわけですね。ビジネス向けモデルに関しての強みはほかにありますか?
井田氏:ビジネス向けモデルに限ったことではないのですが、サードウェーブは日本国内で企画開発から製造まで本社や綾瀬の製造拠点で実施しており、お客様にとって安心安全な製品を展開することができます。海老名のカスタマーサポートセンターでは、お客様のサポートに加えて、品質管理の検証も実施しています。さらには、物流センターが平塚にあります。この3拠点がだいたい車で20分圏内くらいのところに位置しているというのも、大きな強みだと考えております。