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「アジャイル開発」や「クラウドネイティブ化」の効果を実感している企業が国内でも増加

ITモダナイゼーションに成功した「先進」企業の違いとは? PwC調査

2023年12月18日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 「2023年は、ITモダナイゼーションにおいて『潮目が変わる年』だった。アジャイル開発とクラウドネイティブ化による効果を実感している企業が多く、その成功体験の積み重ねに基づいて次の挑戦が生まれるという好循環が、日本でも生まれている」(PwCコンサルティング パートナー クラウドトランスフォーメーションリーダーの中山裕之氏)

 PwCコンサルティング(以下、PwC)は2023年12月14日、同社が発表した「2023年DX意識調査 ―ITモダナイゼーション編―」に関する記者説明会を開催した。国内企業におけるITモダナイゼーションの進捗状況、成熟度の高い先進企業における成果、成熟をはばむ具体的な課題と企業がとるべきステップ/アクションなどが説明された。

PwCコンサルティング パートナー クラウドトランスフォーメーションリーダーの中山裕之氏(右)、PwCコンサルティング ディレクターの鈴木直氏(左)

「アジャイル開発」「クラウドネイティブ技術の活用」は昨年から大きく進展

 国内企業におけるITモダナイゼーションの実態を探る同調査は、2021年、2022年に続く3回目となる。今回は、売上高500億円以上の企業でITモダナイゼーションに関与する課長職以上、500人が回答している。

 同社では「ITモダナイゼーション」の定義を、レガシーシステムのダウンサイジングのような「ITの取り組み」だけではなく、ITを取り巻く環境の大きな変化に応じて、携わる人材や組織、プロセスのあり方の再定義までを含むものとする。

 それをふまえ、同調査では「アジャイル開発手法の状況」「パブリッククラウドの活用状況」「クラウドネイティブ技術の活用状況」の3つの視点から、その活用度合いに応じて企業の「ITモダナイゼーション成熟度」を算定している。

 3つすべてにおいて全社的に活用している企業を「先進」企業、一部で本番利用が開始されている企業を「準先進」企業、それ以外が「その他」と分類した結果、「先進」に分類された企業は全体の8%。準先進が53%、その他は39%となった。「『先進』企業の比率は過去2年の調査と比べても変化はないが、『準先進』が前年比で24ポイントも増加している」(中山氏)のが大きな変化だ。

「ITモダナイゼーション成熟度」の企業割合、および項目別内訳

 項目別に見ると、アジャイル開発手法を「幅広い業務で本番稼働」または「一部業務で本番稼働」させている企業の合計は72%、パブリッククラウドは同81%、クラウドネイティブ技術は同82%となっている。中山氏は、昨年と比較して「アジャイル開発、クラウドネイティブ技術の活用が大きく進展している」と述べる。

項目別に昨年と比較すると、アジャイル開発手法やクラウドネイティブ技術の活用で大きな進歩が見られる

 その一方で、レガシーシステムに関する課題はまだ解消されておらず「危険な状態にある」ことも指摘している。

 「(レガシーシステムが)ブラックボックス化していること、システム知識を有した人材が不足していること、テクノロジーが古いことといった課題は、いまも解消されていない。『2025年の崖』で指摘されたレガシートランスフォーメーションの達成は危険な状態にあり、キャッチアップは遅れている」(中山氏)

ITモダナイゼーションが進展した理由、活用の効果も分析

 アジャイル開発、クラウドネイティブ技術の活用がそれぞれ大きく進んだ理由や、活用の効果についても分析結果を示した。

 アジャイル開発については、数年前までは「成果に懐疑的な声が多かった」ものの、変化が激しくなるなかで「不可避なもの」と認識されるようになったと分析。実際の導入効果としては、「開発期間の短縮」よりも「利用者視点での製品開発」や「不要な開発の削減」という回答が多い。「また5番目には『ビジネス部門と開発部門が一体となったプロジェクト開発』が挙がっており、アジャイル開発が組織の壁を取り除くヒントになる可能性を感じた」(中山氏)。

アジャイル開発の具体的な導入効果

 こうした調査結果は、2001年に17人のソフトウェア開発者が提示した「アジャイルソフトウェア開発宣言」に記された12の原則とも一致するものだという。「アジャイル開発による成功体験の積み重ねが次の挑戦につながっており、これが、アジャイル開発が浸透した要因のひとつになっている」(中山氏)。

アジャイル開発の具体的な導入効果

 クラウドネイティブ技術に関しては、単純なクラウドシフトを超えて、クラウド環境に適した技術を採用する動きが進展したことで活用が進んでいると分析する。

 その結果、多岐にわたる効果が上がっていることもわかったという。具体的には「システム開発や機能改修対応スピードの向上」をあげる回答が最も多く、次いで「アプリ開発やインフラ運用コストの削減」が上位になった。また「新しい技術活用によるメンバーのモチベーション向上」を効果に挙げる回答も多かった。

クラウドネイティブ技術の具体的な導入効果

 「クラウドを使い始めると、クラウドベンダーが次々と提供する新たなテクノロジーを活用する動きも加速する。その結果、コストが下がり、工数が削減され、スピードもあがり、モチベーションもあがるという成果が出ている。これらの効果を実感したことで、クラウドネイティブ技術の活用をより広げていく動きにつながり、正のスパイラルが生まれている」(中山氏)

 PwCではこの状況を、これまでの単純なIaaS利用から、クラウドネイティブ化の効果を享受する企業が増える「クラウド利用の第2段階」と位置づけている。

活用効果を「体感」したことで、アジャイル開発とクラウドネイティブ化は次の取り組みが推進されていると推察

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