このページの本文へ

荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第845回

猫瞳AFのおかげ! 左手でおもちゃを持ってても動き回る猫の決定的瞬間が撮れた

2023年12月06日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

口と両前足の3点でがっしり挟んで、「もう逃がさないぞ」という目が真剣なキジトラなのだった。2023年11月 ソニー α7C II

 先日、北海道の猫好きの友人が東京へ遊びに行くついでに、保護猫シェルターへ行きたいというので、いつもの「保護猫シェルター QUEUE」へ案内したのである。といっても、いざ入ってしまえば、それぞれ勝手に猫と戯れたり写真を撮ったりして過ごすわけだが、この日は運良く遊び足りない子猫たちがいて、やたら反応がよかったのである。

 なので、今回は子猫釣り三昧で行きます。カメラは、最近愛用のソニーの「α7C II」。レンズは、シグマの「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」。

 このレンズ、F2.8と明るいので、室内で背景をぼかして撮りたいときやシャッタースピードを上げたいときにいいし、一般的にズーム全域F2.8のレンズはどうしても大きくなるので、室内で遊びながら気軽に撮るのは難しいのだけど(腕力がある人は別です)、このレンズならコンパクトなので片手でも扱えるのだ。

最近は、このセットがお気に入り。ソニーの「α7C II」とシグマの「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」。αシリーズのいいところは、サードパーティ製レンズが豊富なことかもしれない。

 で、キジトラの子猫が遊びたそうにしてたので、よしシャッタースピードを上げて遊んでる瞬間を撮ってやるぜ、と、マニュアル露出にし、シャッタースピードは1/1000秒でF2.8に固定。ISO感度はオートにして、フォーカスは猫瞳AFさんよろしく、である。

 そして、いきなりこれだ。左手でおもちゃを持ったとたんに遠くから走ってきたのである。

すごい勢いで走ってきて飛びつかんとする瞬間の図。猫瞳AFありがたや。2023年11月 ソニー α7C II

 でも、それは食べ物じゃない! 食うな!

しまった。油断したら食われた。2023年11月 ソニー α7C II

 しょうがないので、左手でうまくコントロールして捕まえられないようにしつつ、右手で撮るという技を使う。片手撮りだとズーミングができないので、あらかじめ「この距離感だと何mmにセットすれば、いい感じに収まりそうだ」と決めてセットしておくのだ。

 そして、遊びながらシャッターを切ってたら、決定的瞬間が撮れましたよ。猫って、こんなに胴体が長いのだなあと妙に感心する1枚である。

子猫の横っ飛び。PK時のゴールキーパー。飛ぶ方向は合ってたのに少し高さがずれた、的な惜しい感じ。2023年11月 ソニー α7C II

 こうして遊んでるとだな、ほかの猫も黙ってはいないのである。キジトラ子猫と遊んでるつもりでおもちゃで誘惑してると、いきなり視界の外から別の猫が飛び込んでくるのだ。

 こっちはファインダーを覗いて撮ってるので、視界は狭いのである。こんな瞬間は、優秀な猫AFが付いてないと無理。こちらは、奥にいて空振りしてるキジトラを撮るつもりでタイミングを計っていたのだから。猫AFさん、ありがとう、だ。

キジトラと遊んでるつもりが、いきなり横からインターセプト。空振りしたキジトラにも注目したい。2023年11月 ソニー α7C II

 でもこの白猫さんも、油断すると後ろから飛んできたハチワレに取られちゃうのである。

おもちゃを巡る仁義なき戦い。いい感じにダイビングキャッチした瞬間。こんな瞬間もちゃんと瞳にピントがきてて、ありがたや。2023年11月 ソニー α7C II

 で、いろんな子猫が入れ替わり立ち替わり突進してくるのであるが、一番執着していたのは、さっきのキジトラ。とうとうおもちゃを捕まえると(冒頭写真)、つかんだまま毛繕いを始めたのだった。絶対離さないぞ、でも毛繕いしたい、的な。

左前足の爪でおもちゃを確保したまま、毛繕いを始めたのだった。2023年11月 ソニー α7C II

 そして、遊び疲れたら倒れるように寝るのである。

大人の猫に抱かれるように寝るのが気持ちいいらしいのである。2023年11月 ソニー α7C II

 かくして、寝てる猫から飛んでる猫まで撮れるα7C IIなのであった。小さくて、動き回る猫を撮れるフルサイズセンサー搭載カメラって貴重だわ。

■Amazon.co.jpで購入
 

筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン