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10年近いSlackユーザーであるメルカリは、300以上の連携アプリを自作

Slack、今冬にパイロット版登場のSlack AI・Slackリストのデモを披露

2023年12月04日 09時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 「Salesforce World Tour Tokyo」の2日目となる、2023年11月29日、「Slack最新情報 〜 生成AIと自動化が導く、インテリジェントな働き方の未来」と題したSlackのプロダクトキーノートが開催。10年以上Slackを利用するメルカリから生成AI担当執行役員である石川佑樹氏がゲスト登壇した。

 Dreamforce 2023で発表されたSlack AIやSlack リストといった最新機能をデモを交えて紹介した。

Slackはインテリジェントプロダクティビティプラットフォームとして進化を追求

 セッション冒頭では、セールスフォース・ジャパンでSlack製品のマーケティングを統括する齋藤梨沙氏より「人々のビジネスライフをよりシンプルに、快適に、そして有意義にする」というSlackのミッションが語られた。

セールスフォース・ジャパン マーケティング統括本部 Slack事業統括 執行役員 日本韓国リージョン統括 バイスプレジデント 齋藤梨沙氏

 齋藤氏は「Slackユーザーは、人々のつながり方を変革し、コミュニケーションの在り方を変え、今日では自動化を活用してビジネスを加速している。そして、AIの力を通じて生産性を変革し、よりインテリジェントな働き方を実現しようとしている」と説明。AIと自動化で仕事を加速させるための3つのステップについて触れた。

 1つ目のステップは、経営層から営業、カスタマーサービスといった現場の社員1人1人が働きやすいよう、誰もが利用できるシンプルな自動化で仕事を加速させること。

 2つ目のステップは、社員の持つナレッジを、俗人化したり、ブラックボックスにするのではなく、会社の資産としてだれもがアクセスできる形にすること。AIや自動化にも活用できることが重要だ。

 3つ目のステップは、トピックやプロジェクトごとにあらゆる関係者が認識を共有して、スムーズに仕事を進められるようにすることだ。

 Slakは、これらを実現する“インテリジェントプロダクティビティプラットフォーム”として進化を追求しており、9月に米国で開催された「Dreamforce 2023」にて発表された新機能が重要な役割を果たす。

休暇中にため込んだ未読もSlack AIによりキャッチアップ

 Dreamforceでは、主に4つの新機能が発表された。

 1つ目の機能は、生成AIをSlackに組み込んだ「Slack AI」だ。チャネルやスレッドの要約、対話による検索など、Slack内で生成AIの力をシームレスに活用できる。2つ目の機能は、「Slack リスト」だ。Slackでのコラボレーションの流れの中で、To Doやタスクを管理できるようになる。

Slack AI

Slackリスト

 セッションでは、Slack AIとSlackリストにより、情報管理を最短にし、プロジェクトを円滑に推進するデモが披露された。あるプロジェクトでは、日々Slackを活用していたが、プロダクトロードマップはスプレッドシートで管理しており、Slackでのコラボレーションとの同期漏れや、タイムラグが課題となっていた。

 そこで、Slackリストを活用してプロダクトマップを作成。Slackリストは、Slackのチャネルで簡単に共有でき、項目ごとにリストがグルーピングされ、アイテムごとにアサインされたSlackのメンバーも表示される。アイテムには詳細が集約されたSlack canvasが添付されており、ここでメンバーとディスカッションすることもできる。

Slackリストによりプロダクトロードマップを共有

Slack canvasでアイテムに関するディスカッションもできる

 また、日々、プロジェクト内の情報が更新されている中、あるメンバーが一週間の休暇をとる。その間の大量の情報をキャッチアップするために、Slack AIが、未読の情報をテーマごとに誰が何を残したかも含めて、要約してくれる。要約元のスレッドに飛び、真意や詳細も確かめられる。

Slack AIが未読の内容を要約、テーマごとに別けられ、誰の投稿によるものかも辿れる

 マーケティングプロジェクトが煮詰まったときにも、Slack AIに“マーケティング戦略を教えてください”と尋ねるだけで、Slack内の情報から“いい具合”にマーケティング戦略をまとめて回答してくれる。さらにプロジェクトの詳細が集約されたSlack canvasも提示される。

検索バーからSlack AIにマーケティング戦略を尋ねる

Slack内の情報をもとにマーケティング戦略を回答、Slack canvasも提示

 Slack AIとSlackリストは、今冬にパイロット版が登場予定だ。

 3つ目の機能は「Slack オートメーション」だ。コーディングなしのクリック操作で、誰でも容易に業務を自動化できるツールとなる。

 Slack オートメーションのデモでは、左のサイドバーから起動する「ワークフロービルダー」から質問収集のワークフローを作成。チャネルでは質問フォームが立ち上がり、Slackリストで作成したQAで自動回答、解決できない場合には担当者に通知が来るといったシナリオが紹介された。

Slack オートメーション

ワークフロービルダーからテンプレートを活用して質問収集のフローを作成

 4つ目は「Slack Sales Elevate」だ。SlackとSalesforce Cloudがシームレスに連携し、Slackを通して営業部門の生産性を高める。

 Slack Sales Elevateに関しては、SlackとSales Cloudの連携によりスマホ上のSlackから商談情報を更新するといった営業現場での生産性向上のデモや、SlackとService Cloudの連携により、エキスパートが結集して問題解決を早期化するスウォーミングとAI機能を活用して顧客満足度を高めるデモが披露された。

Slack Sales Elevate

 Slack オートメーションとSlack Sales Elevateは、既に一般提供を開始している。

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