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印南敦史の「ベストセラーを読む」 第13回

『年収300万円から脱出する「転職の技法」』(森田 昇 著、日本能率協会マネジメントセンター)を読む

年収300万円が年収1000万円にアップする転職ワザ

2023年11月23日 07時00分更新

文● 印南敦史 編集●ASCII

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ポイントはいまいる会社の位置から”ちょっとだけ”スライドさせること

 重要なポイントは、この構造を把握したうえで、「業界」と「職種」、そして役職と会社の「ポジション」を、いまいる会社の位置から“ちょっとだけ”スライドさせること。その方法を用いれば、転職による年収アップは実現できるというのだ。

 サラリーマンの年収は、基本的に「業界×職種」で大枠が決まっている。そのため、年収アップさせるにはそのどちらか、もしくは両方を「年収の高い業界」や「年収の高い職種」に転職する必要があるということ。それが「軸ずらし転職」で、パターンは3つあるという。

1.業界を変える、職種は変えない
2.業界は変えない、職種を変える
3.業界も職種も変える
(99ページより)

 1.であれば、同じような仕事で業界を変えるだけなので経験者扱いでの転職が可能。上述したように年収アップには「業界」が重要な意味を持つため、「職種」という軸は固定して業界だけ軸ずらししていくのが年収アップの近道だということである。

 例)IT業界でアプリケーションエンジニアをしていたのですが、転職後は環境・エネルギー業界の社内エンジニアをやっています。(100ページより)

 対して2.は業界内で職種を変えているだけであるため、年収アップとともに業務内容が変化する。したがって、「やりたくて、自分にできる仕事」への転職を目的とするのであれば効果的だろう。

 大切なのは、現職の知識や経験を活かすことができ、かつ現在の仕事でやっていることと2〜3割は重なる職種を選ぶこと。ただし、あまりに職種を変えすぎると未経験者扱いになってしまうため年収アップを望めなくなる可能性もある。

 例)保険業界で営業事務をしていたのですが、転職後は同じ保険業界で営業をしています。(101ページより)

 そして3.であるならば、軸をずらす角度が大きいため大幅な年収アップが可能。著者自身、IT業界でのITコンサルタント→建設資材を取り扱う商社の企画営業へと、業界と職種のどちらも軸ずらししたことで年収300万円アップに成功した経験があるそうだ。

 ただし当然のことながら、どちらも変え過ぎてしまうと入社後の適応に苦労することになるだろう。そのため注意が必要だ。

 例)「IT業界でアプリケーションエンジニアをしていたのですが、転職後は人材業界で新プロジェクトのマネジャーをしています」(101ページより)

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