成田国際空港は11月15日、北ウェイティングエリアにて、空港従業員向けeスポーツ大会「NARITA AIRPORT eFootball杯」を開催した。
本イベントは、コロナの影響で希薄化した従業員同士の関係を活性化させることを目的に、これからの空港運営を担う20代(Z世代)の従業員をターゲットに実施。
空港ターミナルサービス、セノン、全日本空輸、日本航空、成田国際空港の5社の若手従業員がイベントに参加し、PlayStation 4/5用サッカーゲーム『eFootball』を通して交流を深めた。
会社の垣根を超えた業界交流
狙いは「ゲーム好きのコミュニティー作り」
eスポーツ大会は2人1組、計16チームの組み分けから始まる。
成田国際空港に勤める空港職員が一堂に会したイベントだが、新たな交流を生み出すことに狙いがあるため、同じ会社の人同士でペアにならないようシャッフルされ、抽選でペアが決められた。
初対面のパートナーと挨拶から始まり、最初こそコミュニケーションがぎこちなく見えたものの、ゲームを通して会話が生まれ、得点をあげればハイタッチするペアもいたりするなど、最後には企業間の垣根を超えて交流が盛んになっていた。
「同じ空港で働いているのにこれまで接点がなかった。このイベントで知り合いになれたので、次会った時は話しかけたい」と、参加者の1人は語ってくれて、これまでの関係から変化が生まれたように思う。
ゲームをプレーした若手従業員のほか多くの社員も集まり後ろから観戦。
観客は、自社の法被を着た参加者を応援しつつもプレー1つ1つに大きなリアクションを見せ、会場全体が一体となってイベントを楽しんでいた。
元サッカー日本代表 武田修宏氏も参加
豪華解説で試合が進行
イベントには、解説として元サッカー日本代表 武田修宏氏、実況としてeスポーツキャスター 田口尚平氏が参加。内輪のイベントとは思えないほど豪華な顔ぶれとなった。
武田氏と田口氏は、ゲームの感想を聞いたりして参加者とも交流。
大会の準決勝・決勝は、プレーごとにコメントする解説・実況をした。
まるで本当のサッカーの試合のような臨場感を提供し、元サッカー日本代表の解説がついてサッカーゲームがプレイできることに、プレイヤーはもちろん観客にとっても貴重な機会となった。
これまでサッカー遠征などで成田国際空港を利用する機会が多かったという武田氏は、今回のイベントにも空港との縁を感じたようで、「来年もまた呼んでください」とコメント。
最後には、「ワールドカップ予選が始まるので、サッカー日本代表の応援をよろしくお願いします」と、2026年北中米ワールドカップ アジア2次予選に臨むサッカー日本代表の応援を促した。
『eFootball』が繋いだ新たな関係
eスポーツはコミュニケーションツール
「そもそもeスポーツでコミュニケーションができるのか?」
そのように思っていた参加者もいたようで、イベントが始まる前は「やったことのないゲームが上手くできるだろうか」と疑問も感じていたようだ。
実力が均等になるような組み分けやアクションが分かる操作一覧、大会が始まる前の十分な練習時間など、運営の配慮がありながらイベントは進行。
ゲームを『eFootball』にしたことにも意図があるという。
2人プレーだとパスでボールホルダーを操作するプレイヤーが代わるため、ワンマンプレーができない。そうなると必然的に協力してプレーすることになる。
参加者は中・上級者と初心者がペアになるよう組み分けされたようで、経験・未経験に左右されずゲームを楽しんでいた。
活気ある業界交流がよみがえった
離職率が増加し、人員不足を大きな課題としていた成田国際空港にとって、今回のイベントは人材定着のきっかけとなる盛り上がりを見せた。
コロナで忘れていた業界交流の様子がこのイベントにあって、今後はこのようなイベントが活発に開催されてほしいと思う。
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