PlayStation Portal リモートプレーヤーを先行試用!セットアップやできることをチェック

2023年11月13日 23時00分更新

文● 松野将太 編集●ジサトラハッチ

クイックメニューから設定を確認・変更できる

 PS5とのペアリングが確立できたら、いよいよリモートプレイを開始できる。なお、PlayStation Portalには個別のクイックメニューが存在しており、ここから接続するPS5の切り替え、画面・ライトバー・ミュートボタンの明るさ、ネットワーク設定、ペアリングしたPS Linkヘッドセットの接続状態などの確認が可能となっていた。

クイックメニュー。Xを押すと、接続状態のPS5のリモートプレイに遷移する

クイックメニューからはシステム、ネットワークなどの設定画面にも遷移可能

画面やライトバーの明るさ、コントローラーの振動強度も設定できる

ちなみに、ゲーム中に表示されたソフトウェアキーボードの入力画面はなぜか左上に寄っていた

ゲーム操作の遅延はほぼ感じなかった
映像・音楽などメディアアプリはリモート不可

実際にゲームをプレイ。重量はそれほどでもないので、腕を持ち上げながらプレイしても大きな負担はない

 実際に「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」「グランツーリスモ7」などのゲームをプレイしてみたが、やはり強く印象に残るのはグラフィックスの美麗さだ。

ゲーム画面はPS5側が映像処理をしているため、クオリティーは携帯ゲーム機と比較しても抜群にクオリティーが高い

 近年はポータブルゲーミングPCのような持ち運んでのゲームプレイを志向するハードも増えつつあるが、やはり携帯機のスペックでフルHD・60fpsの描画をしっかり実現するのはまだ難しい。

 その点、PlayStation Portalの場合はグラフィックスの描画処理をPS5側が受け持っており、あくまで映像と操作をストリーミング処理しているだけなので、本体スペックが高くなくとも高品質なグラフィックスでゲームを楽しめるというわけだ。

 入力遅延に関しては比較的操作難易度の高い「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」であれこれ試してみたが、プレイ中も特に遅延を意識する必要なく、最初のミッション「密航」をコンティニューなしでクリアできたため、ほとんど問題にならないレベルと思われる。

筆者が試した限り、入力遅延を意識しながらゲームをプレイする必要などはなかった

 同一ネットワーク上から別のWi-Fiネットワーク(実効速度上り50Mbps程度)に切り替えてのゲームプレイし、Wi-Fiネットワーク自体との接続が途切れかけるような距離まで移動すれば、さすがに画面のちらつき、ストリーミングの乱れといった症状は出た。

 しかしながら、接続が安定している場所であれば操作・映像ともに問題は出なかった。ちなみにSIEによると5Mbps以上であれば利用できるが、最低15Mbps以上の高速な環境がオススメとしている。加えて、PS5を有線接続するとより接続が安定、PlayStation Portalは5GHz帯のWi-Fi接続を推奨している。ルーター側が2.4GHzと5GHzを自動的に切り替えるバンドステアリング機能に対応している場合は、オフにすることも推奨している。

 「ゲーム以外のリモートはどうなの?」と思うユーザーもいるかもしれないが、リモートプレイ中はBlu-rayやDVDの再生、映像や音楽系メディアアプリの利用ができない。実際にNetflixを立ち上げようとしたところ、「リモートプレイでは表示できないコンテンツが含まれています。」という警告文が出た。このあたりは致し方ないポイントだろう。

映像・音楽などのメディア系アプリは利用できない

 バッテリー駆動時間は、以前関係者に聞いたところでは「おおむね4時間程度保つ」とのことだったが、検証中に(セットアップも含め)3時間程度は動かしており、その間バッテリーが切れることはなかった。おそらくその程度は保つはずだ。

アダプティブトリガーなどの機能が使えて
快適にどこでもプレイできるデバイス

 さまざまな制限はあるものの、「PS5の取り回しを向上させる」という点において、PlayStation Portalは替えの利かない魅力的なデバイスと言っていい。スマホやWindows PCでも「PS Remote Play」アプリを使用すれば、PS5に接続してリモートプレイできる。

 しかしながら、その場合はDualSense ワイヤレスコントローラーが必要のため、寝転がるなどして画面を見ながら操作できない。スマホの場合は、画面に表示される仮想コントローラーでの操作もできるが、やや操作にコツや慣れがいる。PlayStation Portalは、DualSense ワイヤレスコントローラーを使わず、アダプティブトリガーやハプティックフィードバックといった独自機能を得ながら、手に持って操作できるといった唯一無二のプレイができるデバイスに仕上がっている。

 「テレビやモニターの前に座ってゲームをする」というのは実は結構カロリーがいる。一方で、ベッドに寝転がってゲームをしたり、自室をあちこち移動しながらゲームを遊べるというのは心理的にもハードルが低いし、やはり便利ではあるだろう。「PS5を買ったものの、あまり利用できていない……」なんてユーザーにはピッタリだと思うが、いかがだろうか。

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