第316回 SORACOM公式ブログ
ソラコム公式ブログ
30人の社員を巻き込み12の展示を作成した、IoTプロトタイピングコーナーの舞台裏【SORACOM Discovery 2023 展示レポート】
本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「30人の社員を巻き込み12の展示を作成した、IoTプロトタイピングコーナーの舞台裏【SORACOM Discovery 2023 展示レポート】」を再編集したものです。
目次
IoT プロトタイピングコーナーとは多くの人を巻き込むと決めた、企画の立ち上げ
新しいチャレンジ、アイデア募集期間
来場者の目線が大事、アイデア選定期間
草の根活動で広めた、制作担当決め期間
焼肉でモチベーションアップ!制作期間の工夫
そして、当日(7/6)の本番へ…!
まとめ
こんにちは、Customer Reliability Engineer の三國 (ニックネーム: mick) です。
2023-08-22 に開催された SORACOM UG Tokyo #16 で「SORACOM Discovery 2023 裏話!ソラコム社員による IoT プロトタイピングコーナー」という発表をしてきました。そちらの内容について、ブログでも紹介いたします。なお、発表資料は以下のとおりです。
IoT プロトタイピングコーナーとは
たとえば、「オフィスの植物の水やりを自動化したい」というアイデアがあるとします。このようなアイデアをIoTで解決できるのか、試作してみることをプロトタイピングと呼びます。IoT プロトタイピングコーナーではこのようなアイデアをもとにした試作品をソラコム社員で制作しました。今回は机4台で、計12の展示を制作できました。
幾つかはブログでも紹介していますので、是非お読みください。
当日は以下の画像のように展示を簡単に紹介するキャプションも用意していました。
多くの人を巻き込むと決めた、企画の立ち上げ
実は「ソラコム社員による IoT プロトタイピングコーナー」は過去の SORACOM Discovery にもありました。しかし、コロナ禍で本イベントがオンライン化したことにより、4 年間の空白期間があったのです。
今年の SORACOM Discovery で IoT プロトタイピングコーナーを再始動しようという話になった時、過去の踏襲をするだけでなく「出来るだけ多くのソラコム社員を巻き込もう」という目標を加えました。「IoT で何かを作る」「お客様と IoT の話をする」といった楽しさを、今までオフラインイベントに参加できていなかった社員の皆にも体験してもらい、もっと IoT を好きになってもらいたかったからです。
多くの人を巻き込むために、IoT プロトタイピングコーナーへ新しい参加形態を追加しました。今まではアイデア出しから制作まで一人でやってもらっていたのですが、「こんな課題を IoT で解決したい」というアイデアを出すだけ、逆にアイデアはないけど制作するだけ、の参加も募ることにしたのです。また、アイデアソンを企画したり制作のサポートを手厚くしたりすることで参加へのハードルをなるべく低くできるようにしました。
全体のスケジュールは以下のようになりました。
- アイデア募集: 3 週間
- アイデア選定: 2 週間
- 制作担当決め: 2 週間
- 制作: 4 週間
新しいチャレンジ、アイデア募集期間
アイデアソンはオンライン・オフライン両方で開催しました。さすが IoT の会社だけあって「こんなことを IoT で解決できないだろうか」という議論はとても盛り上がりました。累計30人超にアイデアソンへ参加してもらえただけでなく、アイデアの質も高く、全 12の展示のうち、5つはアイデアソンから生まれました。
またアイデアソン以外でも展示のアイデアをフォームで募集し、合計で 18 のアイデアが集まりました。集まりやすいように、ヒアリング項目を最小限にしたのが工夫点です。
- 必須: 解決したい (してほしい) 課題
- 必須: 自分で作りたいかどうか
- 任意: 課題の解決イメージ
- 任意: 必要な予算のイメージ
来場者の目線が大事、アイデア選定期間
18のアイデアから、展示するものを決めました。この時の選定基準は2つで、展示会へ来場されるお客様からどう見えるかを意識するものでした。
- 共感性: 身近な生活や仕事が便利 or 楽しくなりそうか?
- 見栄え: 現地や動画で動作状況を見せられるか?(特に火気・電気などの法律面、安全面でのリスクは重視)
実は今回、上記の基準をアイデア募集時に公開するのを失念していました。これは選定の公平性という観点では反省点なのですが、一方で基準を伝えていなかったことで自由なアイデア出しができたというメリットもあったと思います。たとえば飲酒の課題を解決したい、とか、ストリートピアノを置きたい、といった発想は、基準を公開していたら出なかったかもしれません。どうするのが最適だったかは今でも悩ましいです。
草の根活動で広めた、制作担当決め期間
12の展示アイデアを選定できたのですが、そのうち4つは制作者が未定でした。制作はやはり大変ですので、アイデアの魅力をわかりやすくしたり、おおよその要件・構成を絞って制作イメージが浮かぶように工夫しました。以下の図は制作者を募集したときのスライドです。
それでもスライドを作ったくらいでは人は集まらないので、スライドを閲覧してくれた人をチェックして Slack の DM で直接コンタクトをしたり、最後は運営で巻き取ったり、草の根的な活動が一番多かった期間でした。
焼肉でモチベーションアップ!制作期間の工夫
参加者の方々に一番頑張ってもらう必要のある期間です。ここで運営は大きく3つのフォローをしました
- デバイスや SIM の貸出、およびクラウド利用料について運営予算からの補填
- 進捗管理 (定期的な相談会、経過のチェックポイント、そしてモチベーションアップの焼肉)
- 説明用キャプションの作成 (素材は制作者に作成してもらう)
今回は大人数で制作チェックポイントをやったことで、お互い刺激になって (その後の焼肉も美味しく食べられて) 良かったです。
そして、当日(7/6)の本番へ…!
当日も、IoT の展示ならではのバタバタがたくさんありました。以下のようなことをしました。
- Wi-Fi 通信を使うプロトタイプもあったので Wi-Fi ルーターを設置
- 可視化や通知の様子を見せるレンタル PC のキッティング
- ほかの社員にも説明してもらえるよう、直前に説明動画を撮影
本番では環境の違いから直前に動かなくなる事もあり、ギリギリまでデバッグもしました。
しかし、おかげさまで多くの来場者様に楽しんでいただける展示になりました!「プロトタイピングのプロジェクトに関わったメンバー向け特製のグレー T シャツ」を着たソラコム社員が満面の笑顔でいることからわかるように、社員側の満足度もとても高かったです。
まとめ
私はソラコムへ入社したのが 2019年5月で、2019年7月の SORACOM Discovery 2019のプロトタイピングコーナーにてはじめての IoT 制作を経験しました。その時に「IoT をつくるのは楽しい!」を実感したのですが、今回より多くの社員を巻き込み、より多くのお客様へ見ていただけたので、「皆とつくるのはもっと楽しい!」という経験ができました。
今回ノウハウをためることができましたので、次は User Group やパートナー様、お客様を巻き込んだ企画にできればと思っています。もしご興味などあればぜひお声掛けください。
― ソラコム三國 (mick)
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