東南アジアのスマートフォン市場ではシャオミ、OPPO、vivoなど中国メーカーの製品がメジャーな存在になっています。ところが今年8月に訪問したフィリピン・マニラでは、それ以外のメーカーやブランドのスマートフォンも大々的に販売されていました。
フィリピン各地にある大型ショッピングモール「SM Mall」には、スマートフォン販売店が集まるCyberzoneという店舗があります。メーカーの看板を掲げた専門店と、複数メーカーを扱う代理店が混在しており、フィリピンで発売中の最新スマートフォンをじっくり見ることができるのです。
Cyberzoneにも中国メーカーのお店がずらりと並びます。代理店のショップは各メーカーの製品が一堂に並べられているので、時間がない時はこちらに行くのもいいかもしれません。また、メーカーストアのない製品もこちらに展示されています。
驚いたのは、あのWikoのスマートフォンがマニラでは販売されているのです。ほかの東南アジアではめったに見かけません。中国ではファーウェイベースの5Gモデルが販売されていますが、マニラで売っているWikoのモデルは4G対応の別物です。
とはいえ最近新製品は出ていないようで、展示されていた3モデルはいずれも2022年の製品。最上位モデルの「T10」もチップセットはHelio G85、カメラは6400万画素と平凡なスペックです。
Cyberzoneのフロア中央にはブース形式の店もありますが、そこにあったのがnarzo。narzoもほかの東南アジアではあまり見かけません。realmeの低価格ブランドであり、インドなどではメジャーな存在です。
そもそもrealmeそのものがOPPOのインド向け低価格ブランドとして生まれ、その後独立したメーカーになりましたが、そのrealmeよりさらに下のブランドを作るとは、低価格モデルに対する要求がインドなど新興国では高いのでしょう。マニラではnarzo 50シリーズが販売中でしたが、これも2022年モデル。インドで出ている2023年モデルのnarzo 60シリーズはまだ上陸していないようです。
さらにはInfinix、Tecno、Itellというアフリカに強いTranssionグループ3社も製品が販売されています。タイなどでも3社の製品は見かけますが、フィリピンは売り方が本格的でメジャーメーカーの一員になっています。
Tecnoは芸能人を使ったプロモーションも展開中。スタッフに話を聞くと「低価格モデルから5Gモデルまで製品が充実しているのでマニラでも人気があるよ」とのこと。
ところで今回マニラを訪れたのは約10年ぶりだったのですが、当時はフィリピンの地元メーカーのスマートフォンが数多く売られていました。圧倒的なシェアを誇ったCherry Mobileの店はそれこそスーパーなどでも売られていたほどです。過去にこんな記事を書いています。
以前の取材記事を読むならこちら
携帯評論家の山根博士がフィリピンの首都、マニラにあるRobinsons Place(ロビンションズ・プレイス)モールを紹介する
しかし、今ではスマートフォン事業はほぼ撤退状態であり、CyberzoneでもCherry Mobileは看板だけ、別のメジャーメーカーだったMyPhoneもタブレットとフィーチャーフォンがアクセサリ屋でわずかに売られているだけでした。
日本からそう遠くないフィリピンでは、他の東南アジア諸国ではあまり見かけないスマートフォンも人気なのでした。次回訪問する時は中古マーケット巡りをしてより現地の事情を調べてみたいと思います。
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