俳優たちによる「AI対抗」の動き、日本でも
一方、日本では、約60年の活動の歴史を持つ日本俳優連合が6月13日に「生成系AI技術の活用に関する提言」を発表しています。生成系AIとはなっているものの、機械学習を含む「AI技術」を指しているとは文頭で説明されています。
連合では5つの提言をしています。「人間の代替としてのAIによる表現をしてはならない」など、AI利用についてより厳しい条件が含まれています。「業界内でのガイドライン作り、国としての法律制定、ひいては国際的な枠組みでのルール構築を切に望みます」としており、映画会社といったところを対象にしているというより、より国レベルでの広い範囲のルール策定を目標にしているようです。
ただ、日本ではこうした活動を通じての政策実現には限界があり、なかなか実現のハードルは高いように思われます。
人間の仕事と、AI技術とが、直接ぶつかる範囲は目に見える形で広がってきています。今回のハリウッドでのストは、どのような決着をつくのかは予想がつきませんが、その妥結の文言は、今後の人間とAIとの関わり方に大きく影響を与えることになりそうな予感はしています。
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