ギリギリで魅せるイベントシーンもチェック!

PC版『ダンジョントラベラーズ2』はヒロインたちのイベントがハイクオリティで最強すぎる!【後編】

2023年08月03日 20時00分更新

文● 梶井工太郎 編集●ミヤザキ/ASCII

 本記事は、2023年6月9日にDMM GAMESよりPC(Windows)向けにリリースされたダンジョンRPG『ダンジョントラベラーズ2 王立図書館とマモノの封印』のゲームレビュー後編である。

 前編となるこちらの記事で書いた通り、今回の記事では仕事もせずに75時間ほぼほぼぶっ続けで遊んでしまった本作の魅力について深掘りしていきたい。

 まず、素直な感想として、これほど両極端な二面性を持ったゲームを遊ぶのは久しぶりだった。アメとムチ……というのとは少し違う。ご褒美と罰の関係ではない。言うならば太陽と北風。いや、柔と剛だろうか。美少女ゲームとしての柔、本格ダンジョンRPGとしての剛。両極端なくらいの振れ幅が一本のゲームにギュギュッと詰まっているのである。

“剛”の面はとにかく硬派なダンジョンRPG

 まずは甘えを許さない、本格的でガチンコなダンジョンハクスラRPGとしての側面から、筆者が本作に激ハマりした理由やポイントを紹介していきたい。

ポイント1.正統派3Dダンジョンの面構えに痺れる!

 古くは『ウィザードリィ』から続く、トラディショナルでオーソドックスな3Dダンジョンの面構え。まるで新兵を鍛え上げる鬼教官のごとく、甘えと妥協を許さない風貌をしているではないか。この面構えが好きで好きでしょうがないという層が、令和の時代にも生息しているのである。そう、筆者のように。

1歩進む=1マス進む。これぞ、トラディショナル(伝統的)でオーソドックス(正統派)な3Dダンジョンの面構えなのだ

とは言え流石にオートマッピング機能付き。方眼紙にマッピングしたい方は、ぜひ表示をオフにしてお楽しみください

ポイント2.やっぱり楽しいコマンド選択式バトル!

 現在、一人称視点、または三人称視点のアクションタイプがRPGの主流になって久しい。時代とともにゲームも進化するのは当然のことであり、それはそれで筆者も大好きである。

 しかし、じっくりと思考できるコマンド選択式バトルのRPGも完成されたゲームの形。古い古くない論争は差し置いて、やっぱりこのシステムにはこのシステムの良さがあるのだ。

戦闘画面もまた良い面構えをしている。まさに歴史が最適化してきたUIなのだ

敵味方の武器の重さや素早さなどの数値により行動順が決まり、画面左に表示される。攻撃、回復、バフ、あらゆる行動に戦略が求められる。逆に言うと、じっくり考えて良いということ

ポイント3.多彩なキャラビルドを受け入れてくれる懐の深さ

 同じ職業でもスキルの取り方で運用が変わる。たとえば戦士系の最上位職のひとつヴァルキリーは、パリィやカバーといった防御系のスキルを伸ばし盾を持たせて仲間を守るタンク(壁役)にもできるし、攻撃系のスキルに全振りし両手槍を持たせてアタッカーにもできる。

 もちろんゲーム的な効率の良さを考えた時に、ある種の正解はあるのかもしれない。だが、「このキャラはこの職業でこう運用するんだ!」を叶えさせてくれる本作のキャラビルドの懐の深さ、自由度の高さが、筆者はお気に入りなのだ。

同じく戦士系の最上位職であるダークロードは、自身に攻撃を集めることで狙ってきた敵にデバフをまきつつ、TP(スキル発動に必要なポイント)を回復できる。正統派タンクのヴァルキリーとはひと味違った運用が可能

魔法使い系の上位職「マジカルプリンセス」は、スキルを伸ばして回避盾としても運用できる。盾役がメインのヴァルキリーが嫉妬するほどの性能

ポイント4.ハック&スラッシュが持つ普遍的な気持ち良さ

 本作はダンジョンRPGであり、またハック&スラッシュRPGである。ダンジョン攻略中に立ちふさがる敵を倒しては倒し、ひたすら倒し、倒し続けるゲームである。

 敵を倒せば当然ながら経験値がたまり、レベルも上がってキャラクターは強くなる。さらに倒した敵からはドロップアイテムを獲得できる。拠点に戻って鑑定した装備品がより良いものなら装備を更新し、キャラクターは装備に設定された数字の分だけ強くなる。

 時に鑑定結果がユニーク装備と呼ばれる強力な物だったなら、脳に興奮物質が出るのがわかる。もう嬉しくてしょうがない。これこそハクスラの醍醐味だ。

 ダンジョン攻略中に自然とレベルも上がり、少しずつ装備も強くなる。かけた時間がちゃんと自分を強くしてくれる。この実感って、いつの時代もやっぱりイイものなのだ。

リザルト画面がこちら。獲得したアイテムのほか、経験値などもわかりやすい

装備品の横に+◯というように数字がつくシステム。価値がわかりやすく、強さが実感できて好きなのです

ポイント5.簡単じゃないから面白い。令和の時代でもそんなRPGがあっていい

 雑魚でも簡単に全滅できる難易度のゲームなんて、やっぱり今はなかなか世に出てこないのかもしれない。アクションが苦手な人のために~とか、〇〇が苦手な人のために~といったサポートを用意して、プレイヤーの間口を広げるのはメーカーとして当然のことだと思う。

 その反面、世間にはいわゆるソウルライクと言われるアクションRPGのジャンルがある。死にゲーとも呼ばれていたりする。その名の通り、ボス戦は死んで覚えるのが常道。道中の雑魚も舐めてかかってはいけない。適当なプレイで囲まれでもしたら、ハイ終わり、ゲームオーバー。

 本作もまた同じである。言うならばダンジョンRPGのソウルライク。ボス戦に臨み、まったく刃が立たないまま全滅しても、それは情報を得られたということ。相手が属性攻撃をしてくるならそれに備え、苦手な属性があるとわかったなら次は最初から用意して再度望む。死んで理解し、再挑戦する。

 ダンジョンもそう。ザコ敵にも油断せず少しずつ探索範囲を広げ、踏破し、ショートカットを開通させる。僕はこういうゲームが好きなのだ。

 原稿も忘れてハマり続けたのは結局、令和の時代にこんなガチンコで本格的なダンジョンハクスラRPGを遊べたことが嬉しくてしょうがなかったのだ。

ダンジョンRPGのソウルライクなので全滅はつきもの。くじけてる場合じゃない。でも勘違いしないでほしい。「死んで覚えろ」ではなく「死んで覚えればいい」というだけのことなのである

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