このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第428回

全世界でデータ通信可なX-mobileのルーター型スマホ「スマートWi-Fi」が海外でかなり便利

2023年07月15日 12時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
スマートWiFi

X-mobile「スマートWiFi」

 海外渡航もようやく自由にできるようになってきており、夏休みに海外旅行の計画を立てている人もいるだろう。各キャリアの海外ローミングサービスもMNOキャリアを中心に充実しており、普段自分が使っているスマートフォンをそのまま海外で使うことも当たり前になりつつある。

 だが海外ローミングを提供していないMVNOキャリアユーザーもまだ多いだろうし、MNOのローミングサービスも日本国内でのデータ利用分を使い切ってしまうと海外では使えないことがある。今回は日本と海外どちらでも毎月の基本料金のデータ通信分がそのまま使える、X-mobileのスマートWiFiを半年以上使った長期レビューをお届けする。

20GBで2980円、日本と海外で自在に使える

 X-mobileは国内のMVNOキャリアで、2023年3月には「HORIEMOBILE(ホリエモバイル)」を開始するなど、なにかと話題を提供してくれる企業だ。スマートWiFiは2021年10月に発表されたサービスで、すでに1年以上前の製品である。スマートWiFiは専用のスマートフォンと通信プランがセットになっているが、日本国内で使う分には他のMVNOと直接競合するサービスだ。ところが海外での使用は他のMVNOキャリアとも十分優位に戦える製品と感じられた。

 スマートWiFiの利用には専用プランに加入の上、スマートWiFi専用スマートフォン「XM-SW1」を同時に購入する必要がある。料金プランには音声通話5分間かけ放題が含まれており、データ通信利用量が5GB(2480円)、20GB(2980円)、50GB(4980円)の3つから選択できる。オプションで通話し放題やスマートフォンの保証サービスプランへの加入も可能だ。

 なお、料金の変更は毎月25日までに行なうことが可能。5GBプランから20GBプランにアップグレードしたり、50GBプランから20GBプランに戻すこともできる。

スマートWiFi

スマートWiFiの料金プラン

 XM-SW1は、5型ディスプレーを搭載する小型のモデルで、nanoSIMカードスロットとeSIMを内蔵する。nanoSIMカードにはドコモ回線のSIMが、eSIMにはKDDI回線のSIMがそれぞれセットされる。音声通話はドコモ回線、データ通信はKDDI回線を使っているわけだ。

 なお、データ通信はスピードテストアプリを使うと接続キャリアが「SORACOM」と表示されることから、恐らくIoT回線用のものを使っているようだ。そのためか速度は20Mbps前後と高速ではない。その代わり日本と海外で制限なく基本料金内のデータ利用分を共用できるようにしているのだ。

 SIMフリーなのでnanoSIMカードを入れ替えて使うこともできるが、eSIMのほうは入れ替えができない。海外で使う場合は内蔵のeSIMをそのまま使うことになる。

スマートWiFi

スマートWiFiスマートフォン「XM-SW1」

 XM-SW1の主なスペックは、チップセットがMediaTekのHelio P22(MT6762)、メモリー4GB、ストレージ64GB。ディスプレーは5型で解像度は1920×1080ドット。一般的なエントリースマートフォンのHD解像度より高い点は写真表示などの点で優位だろう。

 カメラは1300万画素のみでフロントカメラは800万画素。外部コネクターはUSB Type-Cを搭載しヘッドフォン端子は非搭載。バッテリーは3000mAhで急速充電には対応していない。OSはAndroid 11、本体サイズは138×70×9.05mm、140gとなっている。ちなみに、おサイフケータイには対応しない。

スマートWiFi

本体は樹脂製だ

 本体は樹脂製のボディーのため専用ケースと専用フィルムは購入しておいた方がよさそうだ。なおフィルムはAmazon.co.jpなどでもサードパーティー製が販売されている。本体価格は4万3560円、2年間の継続利用で実質無料となる(端末24回分割払い分が、基本料金から割引される)。スペックを考えるとやや割高かもしれないが、海外でもそのまま使えるルーター用スマートフォンとして、2年間継続使用するのは十分ありだろう。

スマートWiFi

厚みはあるが小型のため持ちやすい

スマートフォンとして使うか
ルーターとして使うか

 XM-SW1の性能はエントリークラスであり、ASCII読者にとってはこれ1台で済ますには厳しいだろう。だがサブのスマートフォンとして持ち歩くのであれば、緊急時のデータ通信用途にも使える。最近では大手MNOキャリアでも通信速度がかなり遅くなることもあり、KDDI回線を使うスマートWiFiをドコモやソフトバンク、楽天モバイルユーザーがバックアップに持つというのも現実的だろう。

スマートWiFi

スマートフォンとしてはエントリークラスのモデルだ

 プリインストールアプリはAndroid標準のものに加え、モバイルWi-Fiルーターとして使う専用アプリなどが入っている。SNSアプリを追加でインストールしておけば手軽なSNSマシンにもなる。その反面、重いゲームなどをいれてプレイする用途としては荷が重い。「ライトなスマートフォン」かつ「Wi-Fiルーター」として割り切って使うのがよさそうだ。Geekbench 5の測定結果はシングルコア150、マルチコア804だった。

スマートWiFi

XM-SW1のホーム画面、プリインストールアプリ(SpeedTestは筆者インストール)、Geekbench 5のスコア

 カメラの作例も撮影してみた。1300万画素だが晴天下での風景写真なら十分な撮影結果が得られる。一方照明がやや足りない室内や夜間撮影はやや不得意だ。SNSにアップする記録用として使うのならば十分だろうか。カメラに関しては、あくまでもおまけと考えて使うのがいいだろう。筆者はメインのスマートフォンを持っているのでXM-SW1での写真撮影は駐車場で駐車場所を記録するなど、メモ用として使うなど限定した使い方をしている。

スマートWiFi

晴天下での撮影

スマートWiFi

若干日が沈みだしたころの風景撮影

スマートWiFi

食事はやや暗い室内では色味も暗めになる

スマートWiFi

夜景撮影。スマートフォンの画面で見るのならば十分だろう

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン