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歩行データを取得しヘルスケアへ ORPHEのスマートシューズ「RUNWALK ORPHE」

2023年06月28日 06時00分更新

文● 中田ボンベ@dcp 編集● ASCII STARTUP

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 2023年3月30日、ORPHEがアシックスと共同で「RUNWALK ORPHE」を一般販売すると発表した。「RUNWALK ORPHE」は、小型軽量の専用センサーを搭載することで、履いて歩くだけで歩行データの取得ができるスマートシューズ。2022年9月に限定販売された際にも大きな話題となったが、改めて本製品の特徴を紹介する。

「RUNWALK ORPHE」とは

「RUNWALK ORPHE」は、アシックス製のビジネスシューズと、ORPHEが開発したセンサーデバイス「ORPHE CORE 3.0」で構成されている。

 シューズのソール部分に、センサーを内蔵する仕組みだ。センサーを装着した状態で歩くと、歩数やスピード、ストライド、接地時間といった計測データを取得できる。

 取得データは、アシックススポーツ工学研究所による足と歩き方についての知見を基に解析。1日の「Mind」と「Physical」のスコアとして、専用アプリ(「ASICS ORPHE WALKアプリ」)に表示される。歩き方から心身の状態を解析し、可視化することに加え、スコアに対する評価コメントをフィードバックすることでバランスの改善も促す。

仕事のある日でも使い続けられる

 昨今、スマートウォッチやスマートリングから取得できる心身のデータを活用し、健康につなげる働きが活発化している。「歩行時におけるデータを心身の健康維持に使う」も、スポーツシューズでは珍しくない試みだ。しかし、ビジネスシューズ、ビジネスシーンでの活用は珍しく、2022年9月に限定販売時には大きな注目を集めた。

 ORPHEでシューズの企画開発、設計を担当する宮田知起氏によると、「スポーツシューズで解析する場合、『ランニングをしないといけないから』と敬遠してしまう人がいる。しかし、心と体の健康を考えた場合、普段のライフスタイルの中でデータを取ることが必要。そこで、ビジネスシーンでの活用を考えた」と話す。

 また、本製品は、センサーが分離できるという点も大きい。一体型であれば、例えばビジネスシューズを履かないとデータは測定できないが、ORPHEが販売しているスニーカータイプのシューズに「ORPHE CORE 3.0」を搭載すれば、ビジネスシーン以外でも利用でき、日々のデータの蓄積が可能になる。他のタイプのシューズと組み合わせることで、さまざまな活用ができるのが、ORPHEのスマートシューズの特徴といえる。

 今後の展望について宮田氏は、「歩き方のデータが取れるとはいえ、それがどのような価値を持つのか、まだまだ知られていない状況。そのため、まずは『歩き方から心と体の状態が分かる』ということを、多くの人に知ってもらえるよう周知活動にも注力したい」と話す。

 とはいえ、積極的にヘルスケアに取り組む人が増えている昨今は、スマートシューズへの関心も高まっている。スマートシューズが当たり前という世界になる可能性も大いにあるだろう。

 履いて歩くだけで健康につながるデータが取得できるスマートシューズ「RUNWALK ORPHE」。限定発売時に「欲しい」という声が多かったこともあり、今回念願の一般販売となった。限定発売時に購入できなかった人は、この機会に手に取ってみるといいだろう。

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