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G-Master Luminous RGB Z790/D4をレビュー

超見た目重視のライトアップ極振りゲーミングPC、13900K&RTX 4070 Ti構成の実力は?

2023年06月10日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトライッペイ/ASCII

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フルスレッド動作の最大性能は落ちる?

 さて、この制限のかかった標準設定で性能を見てみよう。まずはCPUの地力を計測するため、「CINEBENCH R23」を試してみた。このベンチマークソフトはCGレンダリング速度からCPU性能を測るもの。結果は「pts」という独自単位のスコアーで表示され、この値が高ければ高いほど高性能なCPUとなる。

 なお、CGレンダリングはマルチスレッド処理向きの作業のため、コア/スレッド数が多ければ多いほど性能が高くなる。また、動作クロックに比例して性能が上がる傾向も強い。つまり、CPUの最大性能を見るには最適なベンチマークだ。テストはすべてのコア/スレッドを使用する「Multi Core」と、1つのコアだけを使用する「Single Core」の2種類。テスト時間はデフォルトの約10分間とした。

CINEBENCH R23の結果

 結果はMulti Coreが26719ptsでSingle Coreが2275pts。Core i9-13900Kは電流制限がなく、冷却性能に問題がない状況であれば、38000pts台まで伸びる。つまり、電流制限によってかなり性能が抑えられている状態と言える。

 ただし、Single Coreのスコアーは、電流制限がない状態と比べても遜色ない。つまり、CGレンダリングや写真・動画編集といった、マルチスレッドでCPUパワーをゴリゴリ使うといった用途では性能が発揮できないものの、それ以外の用途ではストレスのないキビキビとした動作が期待できるだろう。

 ちなみに、Multi Coreテスト中のCPUパッケージ温度は最大69度と低めだったので、電流制限設定をAutoしてMulti Coreテストを実行してみると33000pts弱と大幅に伸びた。しかし、CPUパッケージ温度は早々に100度を超えたので、電力制限を緩めるにしても高負荷時の温度と相談しながら少しずつ調整しよう。

CINEBENCH R23の結果(電流制限:Auto)

一般用途ならなんら問題がない性能

 G-Master Luminous RGB Z790/D4はあらかじめ電流を制限しておくことで、最大負荷時のCPU温度を調整していることがわかった。となると、負荷が低い一般用途ではそれほど性能は落ちないと予想できる。

 そこで、総合ベンチマークソフトの「PCMark 10」を使い、各テスト項目からその傾向を簡単に読み取ってみよう。まずはデフォルトの設定、160Aの電流制限がある場合のテスト結果だ。

PCMark 10の結果

 総合スコアーは9052と非常に優秀な成績だ。ただし、動作クロック(紫色の折れ線グラフ)をよく見てみると、「Web Browsing」と「Photo Editing」、「Rendering and Visualization」でやや下がっている部分がある。

 そこで、電流制限をAutoにしてみると、動作クロックの落ち込みが減ってスコアーが上がった。高クロックで安定させるためには、電流は高いほうがいいのだろう。

PCMark 10の結果(電流制限:Auto)

 とはいえ、総合スコアーは9480で上昇率は約5%。CINEBENCH R23のMulti Coreテスト(約23%アップ)と比べると影響はだいぶ少ないことがわかった。

 サブスコアーも全体的に上昇していたが、最も大きく変化したテストグループはやはり動画や写真編集、レンダリングといったクリエイティブ用途のDigital Content Creationで約9%アップ。こういった用途で使いたいのであれば、電流制限は少し緩めたほうが満足できるだろう。

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