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世界初! 液体水素燃料のカローラで24時間耐久レースを戦い抜いたルーキーレーシング

文●折原弘之 写真●折原弘之

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液体燃料を運ぶポンプの交換に約4時間!

 レースカーを2ヵ月弱で作り上げ、24時間レースに間に合わせたことだけでも、並々ならぬ苦労がうかがえた。しかし、レース中にも大変なオペレーションが待っている。ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptを走らせる上で、最大のポイントは燃料ポンプだと言う。マイナス250度を超える液体の中で、燃料を汲み上げ、さらに気化させなければならないのだ。本来なら工場丸々一個分の設備を、直径20cm弱、長さ約1mの中に押し込めたのが使用されている燃料ポンプだ。

 このポンプはレース中に2度交換しなければならないとのこと。開発から携わる佐々木雅弘選手は「通常の6時間耐久であれば、ポンプの交換は必要ないレベルです。ですが24時間となると話は別です。時間的にはもっと持つと思うのですが、安全面なども考え6時間ごとに2度替えることにしています」。

多くのスタッフや技術者がマシンを支えていた

 しかし、6時間ごとに2度だと18時間しか走れない計算だが。「ポンプの交換に約4時間かかってしまいますので、2度の交換で大丈夫なのです」との事。実際に交換作業を見てみると、10人を超える技術者が4時間休みなく作業していた。そして無事交換が終わると、大きな歓声と拍手が沸き起こったほどだ。

 佐々木選手は「まずポンプを交換するには、残った液体水素をタンクから抜かなければなりません。その上でポンプを取り出して交換するのですが、マイナス253度の液体水素を抜くだけでも一苦労なんです。そのうえ、このポンプは信じられないほど複雑な構造なんです。チョットでも設定がずれてしまうと、液体を気化させられなくなってしまうんです。そう言った調整があるので時間もかかってしまうんですよ」と説明する。言われてみてその大変さが初めて伝わる。だが、あの歓声の意味は、それだけではなかった。

10人を超えるスタッフが4時間ぶっ通しでポンプ交換に努めていた

 いかにレース中のポンプ交換とは言え、あれほど歓喜するものなのかと考えていると佐々木選手は、「実は昨日もポンプ交換したんですが、一度失敗しているんです。ですから、彼らは昨日8時間以上かけてほぼ徹夜で作業しているんです。それもあってあの喜びようなんです」と教えてくれた。

技術者やドライバーたちの情熱と執念が
過酷な富士24時間レースを完走させた

 それにしてもポンプ交換の失敗とはどのようなことかと言えば「マイナス253度の液体を内燃機関に送り込むまでに、気化させて霧状にしないと燃えませんよね。その作業もあのポンプの中で行なわれているんです。でも、どの時点で気化させられるのか、コントロールが難しいんです。そのためにエンジンが掛からなかったり、安定したパワーが出せなかったりしているんです。そう言った調整も含め、1回で交換できたことがあの歓声に繋がったのです」。そう、歓声に納得するようなドラマがそこには存在したというわけだ。

多くのスタッフに支えられ無事完走したORC ROOKIE GR Corolla H2 concept

 そんな技術者やスタッフ、ドライバーの努力でROOKIE RACINGは見事に24時間レースを完走した。その裏には、多くのスタッフ、技術者達の努力が完走を支えていた。とにかく24時間レースを完走させたことで、ORC ROOKIE Racingの目標の1つが達成できた。マシン自体も2号車はかなりの改良点があり、その事も今回の完走に大きく貢献していたようである。また機会を見て、新しい液体水素マシンいついて詳しく聞いていく予定だ。

■筆者紹介───折原弘之

 1963年1月1日生まれ。埼玉県出身。東京写真学校入学後、オートバイ雑誌「プレイライダー」にアルバイトとして勤務。全日本モトクロス、ロードレースを中心に活動。1983年に「グランプリイラストレイテッド」誌にスタッフフォトグラファーとして参加。同誌の創設者である坪内氏に師事。89年に独立。フリーランスとして、MotoGP、F1GPを撮影。2012年より日本でレース撮影を開始する。

■写真集
3444 片山右京写真集
快速のクロニクル
7人のF1フォトグラファー

■写真展
The Eddge (F1、MotoGP写真展)Canonサロン
Winter Heat (W杯スキー写真展)エスパスタグホイヤー
Emotions(F1写真展)Canonサロン

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