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和の美とゲーミングPCが融合?!ウッドパネルの和風ゲーミングPCが誕生

木の温もりを感じる和風ゲーミングPCが誕生したワケとは?

2023年05月31日 11時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

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ケースにこめらた“Jpanadi”とは?
社員が誰しも発案できる社風から生まれたモデル

──北欧の中に日本を表現したモデルというのはおもしろいですね。

中嶋 孝昌氏(以下、中嶋氏):当初、Fractal Designさんのケースというと北欧のイメージだったのですが、代理店にコメントをもらったところ「このNorthは、日本(Japan)と北欧(Scandinavia)を融合したインテリアスタイル『Japandi』をモチーフに設計されたケースです。「ナチュラルな風味を生かした天然素材を採用し、シンプルながらも暖かみがある落ち着いたデザインが特徴で、洋室だけでなく和室にも合うケースといえます」とのことです。

真重氏:Japandiというとあまり聞き慣れない言葉ですが、グローバルではかなり検索されている人気のスタイルのようで、海外の方が考える北欧と和の融合デザインという解釈にあたるようです。

──真重さんの発案からZEFT G32NORが誕生したということですが、実際に発売されるまでどういったフローで進むのでしょうか?

真重氏:まず中嶋にPCケースのことを相談しまして、弊社代表の西川に提案するよう勧められました。そこで、西川にNorthを使ったパソコンというのを相談したところ、その日のうちにサンプルを取り寄せることとなり、そこからいくつかの検証作業を経て、採用するに至りました。

中嶋氏:採用かどうかは西川の最終判断になりますが、そこにいたるまでに関しては、いい意味で決まった流れがなく、結構社員が自由に「このケース採用しませんか」と社長に進言できる社風になっています。中には雑談から生まれたモデルもあるぐらいです。ですので、今回のNorthもそれが形になった1つといえるでしょう。

──PCケースの新規採用はどこまで検証するのでしょうか?

中嶋氏:正直なところ全パターンのパーツを検証するのは無理があります。ですが、検証には組み立てを行なっている製造チームも加わりますので、サイズ関連の問題を見落とすことはほぼありません。ただ、ビデオカードはスペックだけで判断せず、大きめのカードであればその余裕も考えて、実際に組み込めるかどうかのテストを入念に行ないます。実際、カードによっては入れることはできても、ケーブルの取り回しが難しかったり、ほかのパーツに当たってしまったりと、組んでみないとわからないことが起こり得ます。今回のNorthはさほど問題はなかったのですが、よりコンパクトなケースだと、ビデオカードや電源ユニットの長さ、それに簡易水冷クーラーのラジエーターの厚みなどは、検証してみると組み込むのが難しいということがあります。

──その検証結果で採用が決まると言う感じでしょうか?

中嶋氏:そうですね。あまりのNGが多いケースだと採用しないのですが、今回のNorthであればまったく問題なかったですね。その後、実際にマシンを1台組み上げて各種データを取り、大丈夫であれば発売という流れになります。

30万円以下に収まるよう選定
コストを抑えつつもハイパフォーマンスを実現するパーツを採用

──ケースが決定したあと、どこのパーツを中心に仕様が決まっていくのでしょうか? それともスペックが決まっている案件にケースが当てはめるという感じなのでしょうか?

真重氏:ケースの次はCPUを決めていきますね。今回は、性能にこだわりつつも30万円の予算に収めるというコンセプトをもとに、CPUに「Core i7-13700F」を選択しました。CPUが決まれば、マザーボードがある程度絞られるので、合わせてCPUクーラーなども決まっていくという感じですね。

中嶋氏:PCケースの価格を踏まえ、どのあたりのセグメントのパソコンとして発売するかを考慮します。高価格なケースであれば、それに見合うようハイスペックにするという感じですね。今回のNorthは、店頭売価が2万2000円~2万3000円程度なので、コストを抑えつつも高スペックを維持するといったことを念頭に置いて、仕様を決めていきました。

ケースの価格を考慮してパソコンの構成を決めていると語る中嶋氏

──30万円以下という予算のため、GPUも「GeForce RTX 4070」になったのですか?

真重氏:はい。RTX 4070はGeForce RTX 40シリーズの中でもミドルレンジ向けに置かれたGPUで、コストを抑えながらもRTX 3080相当のパフォーマンスを備えています。また、DLSS 3や高いリアルタイムレイトレーシングを備えていますので、WQHD以下の解像度でのゲームプレイも十分なフレームレートが得られます。RTX 4070は、650W以上の電源ユニットが推奨されていますが、ZEFT G32NORでは高負荷時に余裕を持たせるため、余裕をもって定格出力750Wのものを採用しています。

中嶋氏:今回、ビデオカードには「ZOTAC RTX4070 Twin Edge OC」を採用しています。このカードは、補助電源コネクターに12VHPWRではなく従来の8ピンを1基備えていまして、変換コネクターを使用せずに柔軟なケーブルの引き回しが可能となっています。また、ファンが2基で非常にコンパクトな設計になっていまして、製品が届いたとき社内でもその小ささに驚きの声が挙がったほどです。

──マザーボードにmicroATXのものを採用しているのもコストを抑えるためですか?

中嶋氏:そうですね。ATXかmicroATXかで大きく変わる点は拡張スロットの数だと思うのですが、今回採用したASRockさんの「B760M Pro RS/D4 WiFi」であれば、2本のPCIe x16スロットを搭載していますので、オーソドックスなゲーミング用途でmicroATXでも拡張性は問題ないと判断した次第です。またお客様の声で多いのが、有線LANに2.5GbEを搭載しているかどうかでしたので、今回はその声にお応えできる構成にしています。あとZEFT G32NORでは、ストレージにWestern DigitalさんのM.2 SSD「WD Black SN770」の1TBモデルを搭載しています。このSSDは、PCIe 4.0対応を果たしたモデルですので、ストレージの速度を気に掛けるお客様も満足いただけるかと思います。

──今回のNorthだと、ZEFT G32NORは幅広くBTOでカスタマイズが可能になっているのでしょうか?

中嶋氏:はい。標準構成だとCPUの冷却はリテールボックス付属のクーラーですが、BTOでラジエーターが360mmサイズの簡易水冷クーラーに変更することが可能です。ビデオカードに「GeForce RTX 4090」をチョイスして、ハイエンドマシン構成にするといったこともできます。NVIDIAの新しいコネクター「12VHPWR」が付属されている電源の採用を増やしています。SilverStoneとCORSAIRの一部の電源で付属がないも製品がありますが、別売りのブランド純正の12VHPWRケーブルで対応できる商品に関しては、そちらで組立してお届けしています。

真重氏:Northを採用するにあたり、ラジエーターがどのサイズまで搭載できるのかはチェックしました。最近では、360mmサイズのラジエーターを好まれるお客様も多く、重要なポイントと捉えていました。空冷のまま冷却能力を高めたいというご要望には、弊社ではNoctuaさんの「NH-U12A」をBTOでご用意していますし、簡易水冷クーラーであれば、DeepCoolさんの「LS720」を始めとして、ラジエーターのサイズが240mmや360mmの製品をBTOに数多く揃えています。

左側面のサイドパネルを外した様子。内部はかなり広めに空間が確保されている

サイドパネルの前方側は取り外すことが可能

フロントパネルにはファンを2基搭載

リテールクーラーを採用していることもあり、CPU周りはかなりスッキリした印象

こちらは右側面の内部の様子

──今回のZEFT G32NORは30万円以下を見据えたということは、やはりミドルレンジ向けに用意したモデルということになるのでしょうか?

真重氏:30万円以下という価格設定ではありますが、コストダウンを突き詰めたモデルではなく、コストと性能のバランスを考えた人気の定番パーツを搭載していますので、ゲームにおけるパフォーマンスも問題ありません。加えて、部屋に観葉植物を置いているといったように、インテリアに自然を取り入れていらっしゃる方に、ZEFT G32NORはマッチするのではないかと思っています。アンティークな家具などは、使い込んだ“色味”を重要視される方がいらっしゃいますが、このZEFT G32NORも、長年使い込めば、かなりいい色味を帯びてくるのではないでしょうか。以上から、性能とデザインの両立を実現したパソコンと自負しています。

中嶋氏:木材のテーブルを使っている方に、このZEFT G32NORは非常にマッチすると思っています。家具の変更になると大変ですが、引っ越しのタイミングなどでこのZEFT G32NORを選択していただけたら幸いです。

──ありがとうございました。

デスク周りにこだわりたい、オシャレなPCケースでゲームもプレイできるマシンがほしい人に最適!

 無機質なパソコンと、天然の木材を組み合わせるのは非常に難しい。木材は湿度の影響を受けやすく、容易にサイズが伸び縮みしてしまうからだ。それでも、デザインのために木材を採用した点はFractal Designのこだわりであり、それを活かしたゲーミングパソコンというのはなかなかに面白い存在だ。中には和室でゲームを楽しみたいと考えている人もいると思うが、そういった人にはこのZEFT G32NORはかなり魅力的ではないだろうか。

(提供:セブンアールジャパン)

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