ディープラーニング技術を使った翻訳サービスを展開するDeepLは、日本メディア向けに説明会を開催。来日中のヤロスワフ・クテロフスキーCEOが、日本での事業戦略を明かした。
急成長のDeepL、研究者や開発者が60%以上を占める
2017年のサービス開始以来、急成長を遂げているDeepL。2018年からスタートした有料版DeepL Pro(月額1200円~)の登録者数はグローバルで50万人以上。登録企業は2万社にのぼっている。ウェブのほか、スマホアプリやデスクトップアプリ、ブラウザの拡張機能なども提供。APIも公開しており、企業によるAPIの利活用も進んでいるという。2023年1月には英文作成をサポートする、新サービス「DeepL Write」(現在ベータ版)もリリースしている。
「我々のミッションは言語の壁を取り去り、世界中の誰もが互いにコミュニケーションを取れるようにすること。創業以来、大規模なリサーチチームが、翻訳をより良くすることに取り組んできた」という、ヤロスワフ氏。エンジニアリングを重視しており、500人以上いる従業員のうち60%以上を、研究者や開発者が占めている。
DeepLのバックグラウンドを支えているのは、ニューラルネットワークを用いたAIだ。「AIはテキストの例から学ぶ。うまく機能するためにはたくさんのテキストデータが必要だが、このテキストが高品質であることが重要だ」とヤロスワフ氏。「ニューラルネットワークの生成においては、品質保証が重要。DeepLが文章のニュアンスを理解でき、訳文が流暢な理由とひとつは、最終的な品質を評価しているから。アウトプットの結果が望ましいものでないときは、一度戻ってそのフィードバックをAIに盛り込むようにしている」と説明する。