ヒカキンと地元が同じ編集者が食べるカップ麺「みそきん」 “普通においしい”路線の味噌ラーメン
2023年05月12日 16時00分更新
「HIKAKIN PREMIUM みそきん 濃厚味噌ラーメン」
セブン-イレブン
5月9日発売
300円
https://hikakinpremium.jp
ヒカキン、味噌ラーメンを手がける
P2C Studioは、UUUM専属クリエイターであるHIKAKINさんが立ち上げた新ブランド「HIKAKIN PREMIUM(ヒカキン プレミアム)」を新しく展開します。新商品である「HIKAKIN PREMIUM みそきん 濃厚味噌ラーメン」(300円)、「HIKAKIN PREMIUM みそきん 濃厚味噌メシ」(323円)が全国のセブン-イレブンで5月9日から販売されました。
HIKAKINさんの下積み時代を支えたのは大好きなラーメン。特に、味噌味のラーメンには格別な思いのあるHIKAKINさんがこだわり抜いたという「みそきん」を、初ブランドであるHIKAKIN PREMIUM第1弾として販売します。
HIKAKIN PREMIUM みそきん 濃厚味噌ラーメンは、白味噌をベースにニンニクとすりごまの風味をきかせたスープが歯切れのよい中太ちぢれ麺に絡むという、濃厚な味わいの一品。
制作秘話などをまとめた動画も、もちろん公開されています。このあたりの気合いはさすがYouTuberといったところでしょうか。早くも話題となっており、品切れになった店舗も多いようですね。
ところで、ヒカキンさんの動画の中に「子どもの頃からよく行っていたお店」で味噌ラーメンを食べる映像があります。
実は筆者、ヒカキンさんと地元が近く(実家は新潟県妙高市で共通しています)、そのお店にも何度か行ったことがある。なので、「ヒカキンが味噌ラーメンを手がける」と聞いたとき、「ああ、あそこによく行ったんだろうな」とすぐピンときたのです。
この味噌ラーメン、熱湯を入れて5分待ちます。この手のカップ麺は「3分」のものが多いですが、これは「5分」なので注意してください。
別添の「みそきん特製香味油」を仕上げに加えることで、ラー油の味わいが広がるとともに、野菜の旨みと豚のコクがプラスされ、スープの奥行きが際立つそう。
ラーメンが好きな人が作ったんだろうな
そんなことを思わせるまとまりがある
できあがりですが、意外と香りが強くはありませんでした。「白味噌とにんにくの旨味広がる、やみつきな味わい」とあるので、かなり強いにんにくの香りを想像していましたが、それほどではありません。
スープが面白いです。たしかにコクがあるのですが、一口飲んだときに“ガツン!”という感じではないのです。むしろ、最初の一口のインパクトはあまりない、と言ってもよい。
食べ(飲み)進めていくうちに、味噌(と、にんにく)の旨味が、香辛料の刺激と一緒に口の中に広がっていくタイプですね。“濃厚味噌”をうたってはいますが、ギットギトに濃いわけではありません。
なので、香味油は入れたほうがいいです。ラー油のピリッとしたアクセントが入ることで、スープ全体の味が締まりますから。
麺も、普通のカップ麺のそれです。潔いぐらいの油揚げめん。奇をてらっているわけではないのですが、スープとの相性はよいです。邪魔しないというか、悪目立ちしていない。
地元が近いこともあり、どうしても「ヒカキンさんがよく行っていたお店」の味を想像していました。しかし、思い出の味を再現したというよりは、もっと万人向けにまとめられた味のように思えます。香辛料もほどよく効かせつつ、しょっぱすぎない。「辛い!」とか「刺激的!」とかではない。
具材は少々小さめですね。カップ麺として考えると「こんなもんでしょう」という感じですが、300円なので、もうちょっとプレミアム感があってもよかったかもしれません。
「みそきん」を紹介するヒカキンさんの動画内で、ヒカキンさんの兄・セイキンさんが「せっかくやるなら普通じゃつまんないじゃん」「マジかよ! っていうところいかないと」とラーメン作りに関してアドバイスしていました。
たしかに、このカップ麺、ありふれたものではない。ところが、わかりやすく「ガツンと濃い!」というわけでもないのが面白い。そのあたりのバランスに、ラーメンが好きな人が作ったんだろうな、というまとまりがある。
誰かをけなしたり、煽ったりするスタイルではないヒカキンさんらしく、「まじめに、ちゃんと作った」風情があります。味噌の旨味を活かしつつ、何かの要素が突出したトガった味わいではなく、食べ進めるうちに良さがわかってくるスタイルのカップ麺。ありそうでない、といってもいい。
濃厚でもあり、香味油の辛味もあり、そうはいってもトゲトゲしくないのがミソだと思います。味噌だけに。……ごめんなさい。編集者失格の表現かもしれませんが、“普通においしい”といいますか。
その分、「やみつきになる」ような感覚は薄いかもしれません。「大人気YouTuberが手がけた!」ということで、さぞかしエクストリームなテイストになっているんだろうとワクワクすると、「おやっ?」と思うかも。このあたりが吉と出るか、凶と出るか。
何しろヒカキンさんが手がけたわけですから、話題性はあるはずです。そこに出てきた“普通においしい”路線の味噌ラーメン。どのように受け止められるか、気になっています。
モーダル小嶋
1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願い申し上げます。
この連載の記事
-
第14回
グルメ
リュウジ監修カップ麺 「おいしいけど、でも……」と思ってしまう惜しい味 -
第13回
グルメ
豚骨のコクはあるが、地味かもしれないカップヌードル「豚骨シーフード」 -
第12回
グルメ
「日清ドロラ王 ドロ、コッテリ、鶏白湯」名前の通りのクオリティー、ただ価格がね…… -
第11回
グルメ
「日清ゲーミングカップヌードル」“カフェイン入り”焼そば ゲームのお供にいいかもしれない -
第10回
グルメ
特上カップヌードル4種類食べ比べ 本当に“特上”と感じたのは? -
第9回
グルメ
三田製麺所「濃厚煮干しつけ麺」濃厚だけどバランスよし -
第8回
グルメ
カップヌードル「イタリアンシーフード」 “シーフードヌードルの派生”と思わないほうがいい -
第7回
グルメ
懐かしすぎる! カップヌードル「スパイシーカレー」今となってはスパイシーじゃないかもだけど -
第6回
グルメ
今のうちに「日清ラ王 牛骨味噌」を食べておくべきである -
第5回
グルメ
カップヌードル「海鮮コチュジャンチゲ味」を地味にリピートしてしまう理由 -
第4回
グルメ
結局、天下一品の「こってりMAX」は食べるべきなのか? - この連載の一覧へ