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MacBookやMac miniを「Parallels Desktop 18」で仮想Windowsマシンにする方法

2023年04月07日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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Parallelsはどれを選ぶ?

 Mac上にWindows環境を実現するには、まずParallels Desktopが必要だ。現在の最新バージョンは、ARM版Windows 11に対応した18(以降、PD18)で、ウェブサイト(https://www.parallels.com/jp/pd/general/)からダウンロード購入できる。

 ここで検討を要するのが、PD18の「エディション」だ。一般的に入手可能なものとしては、「Standard」「Pro」「Business」の3種類がある。機能の違いについて簡単にまとめれば、Standardを標準として、Proは主にWindows上でソフトウェア開発をしたい人向きの機能を追加したもの。BusinessはProの機能に加えて、企業内でまとまった数を同時に運用するような場合に便利な機能を装備したエディションということになる。

 ただし、仮想環境そのものの能力の違いもある。Standardでは、1つの仮想環境に割り当てる最大メモリが8GB、CPUのコア数が4という制限があるのに対し、ProとBusinessでは、それぞれ128GB、32コアとなっている。これらは現行Macのハードウェアの能力を上回るものなので、事実上制限なしと考えていいだろう。

 一般の個人ユーザーなら、メモリとCPUの割り当ての制限も含めてStandardで十分な場合が多いと思われる。Windowsとしての性能を追求したいなら、CPUコアの割り当ての制限が4では少ないという気もするが、それも実際に使うMacの仕様を考慮する必要がある。M1やM2搭載機で使うなら、そもそCPUが8コアしかないので、仮想環境に4コアを割り当てるというのは妥当な線と言える。また、Windowsの3Dゲームで遊びたいという場合に重要になってくるのはCPUよりもGPUの方だ。GPUについてはエディションによるコア数の制限の差はないので、選択の際の指針にはならない。

 エディションによる違いには、販売形態も含まれる。ProとBusinessが、1年単位のサブスク方式でしか販売していないのに対し、Standardでは買い取り式の永続ライセンスも選べる。ほぼ毎年1回あるParallels Desktopのメジャーアップデートは、サブスク式のライセンスなら無料で受けられるが、買い取り式ではバージョンが固定されて、メジャーアップデートは受けられない。

 ただし、アップデートしないと1年後に急に使えなくなるわけではないので、様子を見ながら旧バージョンを使い続け、どうにもならなくなったら新バージョンのライセンスを購入するという手もある。同じバージョンを1年以上使い続けるなら、買い取り式でも金額に大差はないことになる。

 各エディションの価格は、Standardが買い取りの場合は1万2700円、サブスクなら1年で1万400円、ProとBusinessはサブスクのみで、それぞれ年間1万1700円、1万4700円となっている。サブスク版の場合、Parallels Toolbox(単体の年間サブスクは3199円)とParallels Access(同2000円)が無償で使えるというメリットもあるので、選択は悩ましいところでもある。

Parallels Toolboxは、何かと便利なツールが揃っている

 Parallels Toolboxは、いわゆるユーティリティ的なミニアプリを集め、メニューバーから簡単に選択して使えるようにしたもの。「バーコードジェネレーター」「画像のサイズ変更」「残り日数通知」など、便利なツール系アプリを40種類以上も揃えている。

 一方のParallels Access は、iPhoneまたはiPadからWindowsやMacのアプリケーションやファイルにリモート アクセスするためのアプリだ。Parallels Toolboxについては、先述したレビュー記事で詳しく取り上げているので参考にしてほしい。

 なおこの他に、有効な学生証を持つ学生のみが購入できる「Student Edition」というものもある。これについての詳細は、有効な学生証を用意のうえ、Parallelsの教育機関向けページにアクセスして確認してほしい。

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