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国土地理院、衛星データに基づく全国地殻変動分布図を初公開

2023年03月29日 20時25分更新

文● MIT Technology Review Japan

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国土地理院は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の衛星データを用いて作成した、日本全国の大地の動きを可視化した全国地殻変動分布図を2023年3月28日に初公開した。地理院地図(ウェブ地図)から確認できる。

国土地理院は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の衛星データを用いて作成した、日本全国の大地の動きを可視化した全国地殻変動分布図を2023年3月28日に初公開した。地理院地図(ウェブ地図)から確認できる。 JAXAの陸域観測技術衛星2号「だいち2号(ALOS-2)」に搭載された「Lバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)」による2014年8月から8年に及ぶ観測データに対し、国土地理院が干渉SAR(合成開口レーダー)時系列解析を実施し、今回の全国の変動分布図を完成させた。SARは、人工衛星等から地表に向けて電波を照射し、戻ってきた電波を受信し、往復にかかる時間により地表までの距離を面的に観測する技術。正確な干渉SAR処理には長期的に安定した衛星の追跡管制と、高精度の軌道・姿勢情報をもとにしたSARデータ処理技術が必要であり、JAXAと国土地理院の技術協力により可能となったという。 今回の全国地殻変動分布図は「地理院地図 / GSI Maps」から確認できる。火山活動や地盤沈下などによる地殻の変動の広がりを一目で把握することが可能で、この変動情報を活用することで、測量の基準(国家座標)の維持管理や、地盤沈下調査などの空間分解能の向上につながることが期待される。

(中條)

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