IT専門の調査会社IDC Japan は3月23日、2022年の国内ウェアラブルデバイス市場の調査結果を発表した。市場全体の出荷台数は前年比29.7%減少の564万台にとどまり、2016年以来続いていた市場拡大にブレーキがかかった格好だ。
アップルが首位を維持するも出荷は大幅減
IDCの発表によると、今回の出荷台数減少は世界的なインフレや円安に加え、首位を走るアップルの勢いが鈍化したことも影響しているという。
デバイスの種類別では、耳装着型が31.0%減(265万台)、腕時計型が28.6%減(214万台)、リストバンド型が10.4%減(66万台)となり、イヤホンやスマートウォッチなどが大きく減少していることがわかる。
市場シェアは以下の通り(括弧内は出荷台数)。
- 1位 アップル(368万台)
- 2位 グーグル(36万台)
- 3位 シャオミ(33万台)
- 4位 ガーミン(30万台)
首位のアップルは2位以下に出荷台数ベースで10倍以上の差をつけているが、同社単体でみると前年比34.2%減となり、大幅に出荷台数を減らしている。
IDCによると、コロナによる巣ごもり需要が一巡して耳装着型デバイスの需要が減ったことに加え、「Apple Watch Series 8」や「Apple Watch Ultra」が消費者の目に高価格製品として映ってしまったことも影響しているという。
アップルを追いかける2位のグーグルは「Pixel Watch」の発売で腕時計型は前年比0.9%増を達成。だが、リストバンド型なども含めた同社全体としては前年比12.3%の減少となった。
一方、3位シャオミと4位ガーミンは健闘し、前者は対前年比27.0%増、後者は同13.3%増となった。