Twitterでわかった!データでみる新しい佐賀案内!
提供: (一社)佐賀県観光連盟
九州の北西部に位置する佐賀県は、大都市圏である福岡からは1時間程、県庁所在地の佐賀市にある九州佐賀国際空港には羽田空港からの直行便もあるなど、アクセス条件の良い地域です。そのため、雑誌やWeb記事などに多くの観光ガイドが存在しており、それを参考に佐賀観光を楽しまれている方も多いはず。
そうした既存の観光ガイドが紹介する観光スポットももちろん魅力的ですが、それとは違う、Twitterを利用している通常の人たちが話題にしている観光スポットを紹介できないか。こうした要望に応えるべく本記事が採用するのが、「Twitterトレンド解析」に基づく、「データでみる新しい佐賀案内」です。
Twitterで話題の佐賀県観光スポットをピックアップ
「Twitterトレンド解析」では、Twitter社との契約に基づき、角川アスキー総合研究所がTwitterのつぶやき(Tweet)を解析。角川アスキー総合研究所で用意した「佐賀県観光スポットキーワード」が含まれるTweetを抽出し、「佐賀県在住の方」「佐賀県以外の九州在住の方」「佐賀県以外の日本各地に在住の方」の3パターンに分け、Tweet数ランキングを作成しました。
今回は、本記事公開の1年前、2022年3月1日〜5月31日の3カ月間を対象にTwitter解析を行ったのですが、意外な観光スポットが上位20位にランクイン!佐賀観光で定番の武雄温泉、嬉野温泉、虹の松原などはもちろんランキングに入ってきましたが、嬉野市にある「森とリスの遊園地 メルヘン村」が佐賀在住、佐賀を除く九州在住、佐賀を除く全都道府県在住で1位を獲得するなど、「なぜ?」「どうして?」「意外!」というスポットもちらほら。このランキング結果から、佐賀の魅力を深堀りしてみます。
全調査で「メルヘン村」が1位になった、ちょと意外な理由とは?
まず「森とリスの遊園地 メルヘン村」1位の秘密ですが、キーワードと一緒に使われているキーワード(共起語)を見てみると、「VR」「ドゲンジャーズ」が多数。これはソーシャルVRアプリ「VRChat」内に「VRmeruhenmura」(VRメルヘンムラ)というワールドが登場し、“いろいろカオス過ぎる!”と話題を集めたのが理由。さらにそのワールドを本家である「森とリスの遊園地 メルヘン村」が公認したこともまたTweet数増加に繋がったようです。
ちなみに「ドゲンジャーズ」は福岡のヒーローたちが活躍する、福岡を舞台にした特撮テレビドラマ。「森とリスの遊園地 メルヘン村」との関連は…、2022年のGWにドゲンジャーズショーが開催されたこと(笑)。真実を知ってしまうと「……なるほど」な結果ですが、「VR」「ドゲンジャーズ」に根強いファンがいて、そこに「森とリスの遊園地 メルヘン村」のゆる〜い空気感がフィットしたのでしょうか。
園内は遊園地ゾーン、動物園ゾーン、無料で遊べる遊具が充実するアスレチックゾーンに分かれ、楽しみはいろいろです。“日本一大きなリスのオブジェ”として認定されているドン・グリス滑り台など、フォトジェニックなスポットにも注目してみてください。
佐賀県とそれ以外の九州では、こんな違いも
佐賀在住と佐賀を除く九州在住のランキングを比較してみてもおもしろそうです。佐賀在住では3位と上位にランクインしている「マリンセンターおさかな村」は全都道府県はもちろん佐賀を除く九州在住の20位内にも入っていません。 これはなぜでしょうか?共起語に「鮮魚」「野菜」「刺身」というワードが多く見られることから、佐賀に暮らす人々は「マリンセンターおさかな村」で日常的に食材を買い求めているということが推察できます。福岡からも比較的近い唐津市にあるのに、佐賀県民以外が注目していないのは、実はすごくもったいないことなのかも?
逆も然りです。佐賀を除く九州在住のランキングで13位に入っている「鳥栖プレミアム・アウトレット」は佐賀在住ではランク外。アウトレットモールの先駆けとしてオープンした施設で、福岡からもアクセスしやすいスポットです。とりわけ筑紫野市や大野城市、那珂川市といった福岡市近郊からは行きやすく、週末などのショッピングの選択肢の一つになっています。もちろん佐賀県民の利用も多い「鳥栖プレミアム・アウトレット」ですが県内にあり、かつ日常使いできるショッピングスポットだけに、Twitterの話題にはあえて上がっていない可能性も。逆に福岡などから足を運ぶ場合、県をまたぐということでちょっとした“お出かけ”的なイベントに。それもあってSNSの話題の一つになり、このようなランキング結果になっていると思われます。
ランキング差に着目してもおもしろいことが見えてきます。佐賀を除く九州在住が2位なのに対して、佐賀在住は18位の「武雄温泉」。この差はなんでしょう?共起語はともに「長崎」「九州新幹線」が入っていたことから、注目されている点は変わりません。ただここでポイントとなるのが「九州新幹線」。これは2022年9月に開業した西九州新幹線を指していると思われ、佐賀県内に新たに新設された武雄温泉駅、嬉野温泉駅が話題に上がっていたと推察されます。
佐賀を除く九州在住のランキングで「嬉野温泉」が3位に入っていることからも、西九州新幹線の開業でより近くなる「武雄温泉」「嬉野温泉」に佐賀を除く九州在住が注目したのは一目瞭然。逆に佐賀在住にとって西九州新幹線の開業は話題に上がるものの、同じ県内の温泉地ということで、そこまでTweet数が伸びなかったようです。
西九州新幹線の開業によって注目を集める「武雄温泉」「嬉野温泉」。実際に新幹線開業後、観光客の数は増えているというから、Twitter解析がトレンド予測になる裏付けになりそうです。
佐賀を除く九州在住が8位の「吉野ヶ里歴史公園」、11位で日本三大稲荷の一つに数えられる「祐徳稲荷神社」も佐賀県民には当たり前すぎるのかランク外という結果に。この2つのスポットは佐賀を除く九州在住にとっては佐賀を代表する観光名所であり、おそらく集計期間を変えても上位に入ってくるでしょう。
Twitter解析の結果から、佐賀県の観光スポットを紹介!
今回実施したTwitter解析の結果が示すのは、王道の観光スポットはしっかり抑えつつ、さらに時流を読み解くヒントがたくさん隠されているということ。ここからは、そんな視点も参考にしながら、佐賀の観光スポットを見ていきましょう。
温泉王国・九州でも個性を放つ名湯の数々が佐賀に!
まず佐賀の魅力といえば温泉があげられます。美人の湯として有名な「武雄温泉」「嬉野温泉」が佐賀を除く九州在住、佐賀を除く全都道府県ともに上位に入っているように、全国区の知名度を誇る温泉地です。「武雄温泉」「嬉野温泉」いずれも713年に編纂された「肥前国風土記」に記述があり、開湯から1300年以上を経ているというから、九州においても温泉地としての歴史は相当長いです。
上記の通り佐賀県在住以外で2位と、佐賀以外では人気の高い「武雄温泉」。朱塗りと漆喰の白のコントラストが美しい武雄温泉楼門に代表される「武雄温泉」は、かつて豊臣秀吉が朝鮮出兵をした際に兵士の湯治場として指定した温泉として知られ、さらに伊達政宗、吉田松陰、伊能忠敬など教科書でその名を目にする歴史上の重要人物も立ち寄ったという記録が残っています。稀代の剣豪・宮本武蔵が兵法書「五輪の書」の構想を練った宿が現存しているというのもすごいエピソードですね。
そんな「武雄温泉」でここ数年特に注目を集めているのが、佐賀を除く九州在住のランキングで16位に入っている「御船山楽園ホテル」。共起語に「ホテル」が入っているように宿泊をメインとした施設なのですが、より広く知られるようになったきっかけの一つが2019年から3年連続サウナシュランで1位を獲得した「らかんの湯」です。
サウナシュランとは全国9600施設以上といわれるサウナ施設の中から、“今行くべき全国のサウナ施設”として発表・表彰されるもので、「らかんの湯」は3連覇という快挙を成し遂げたサウナーにとって聖地と呼べるスポット。このサウナを目的に「武雄温泉」に足を運ぶ人たちも少なくありません。「御船山楽園ホテル」は見事な庭園も有名で、春は桜やツツジ、初夏の新緑、秋の紅葉など四季折々で美しい風景を見ることができます。
「嬉野温泉」が佐賀県在住以外では3位の理由とは?
3位の「嬉野温泉」の代名詞といえば、日本三大美肌の湯の一つであること。ナトリウムを多く含む重曹泉はぬめりのある湯ざわりが大きな特徴で、皮脂や分泌物を乳化して洗い流し、湯上がりはまるで一皮むけたようにツルツル、スベスベの肌になると評判です。源泉温度は85℃〜90℃と高温で、地中のさまざまな成分が湯に溶け出し、含有しているといわれています。
温泉街のほぼ中央に公衆浴場「シーボルトの湯」があるように、シーボルトが立ち寄った温泉地としても知られ、江戸時代、一帯は長崎街道の宿場町として栄えた歴史も。大村藩の参勤交代の脇本陣として誕生し、今なお営みを続ける宿などもあり、温泉街を歩いてみると宿場町として賑わった歴史を端々に感じることができるはずです。
そんな「嬉野温泉」エリアで注目してほしいのが、18位の「元祖忍者村 肥前夢街道」。子供連れにおすすめのテーマパークですが、よそではなかなか味わえない体験ができます。
「元祖忍者村 肥前夢街道」は江戸時代初期の長崎街道を再現した忍者・歴史体験型テーマパーク。こう説明されるとちょっと固いイメージを持ちがちですが、実際は手裏剣打同乗、からくり夢屋敷など楽しい遊びが満載。村内で出会う忍者たちのキャラクター性も濃く、大人たちもついつい笑ってしまうシーンがたくさんあるはずです。「どこかシュールな雰囲気」と写真撮影を目的とした来場も多いんですよ。
「脊振山」の温泉も、サウナが人気の「有明海の湯」も要チェック
佐賀を除く九州在住で19位となった「脊振山」の共起語の一つに「温泉」とあるように、脊振山系のふもとに広がる吉野ヶ里町にも人気の温泉があります。それが「ひがしせふり温泉 山茶花の湯」。福岡市から高速道路を使わずとも那珂川市、東脊振トンネルを経てアクセスできるとあって福岡エリアからの利用も多い、人気温泉施設となっています。
2022年10月にリニューアルオープンし、有明海を目の前に望むオーシャンビューのサウナが人気を集める「たら竹崎温泉」の「有明海の湯」、ゆったり湯舟に浸かり体を芯から温めるぬる湯が評判の「古湯温泉」もぜひチェックしてみてください。「古湯温泉」は佐賀市内に位置し、福岡市中心部から車でおよそ1時間とアクセスのしやすさも魅力です。
「武雄温泉」「嬉野温泉」エリアは西九州新幹線開業に伴い、武雄温泉駅、嬉野温泉駅が完成し、より行きやすくなった点にも注目してみましょう。
Twitter解析で判明した人気の自然スポット
自然が作り出す絶景との出会いも魅力!
雄大な脊振山系をはじめ、豊かな漁場として知られる玄界灘、そして有明海など、佐賀は自然の宝庫です。Twitter解析でも多くの自然スポットがランクインする結果となりました。
佐賀を除く九州在住で6位となった「虹の松原」は日本三大松原の一つに数えられる松原の名所。長さ約4.5km、幅約0.5kmにわたり、約100万本のクロマツが群生し、風光明媚な景色を作り出しています。松原を突っ切るように道路が整備され、車窓から見える景色も気持ちいいのですが、同じ唐津市内にある「鏡山」から眺望するのもおすすめ。
「鏡山」は佐賀を除く九州在住で9位、佐賀を除く全都道府県で12位、佐賀在住でも19位とすべて20位以内に入っていることからも知名度の高さがわかるというもの。山頂には展望台が整備され、パノラマビューで唐津湾や虹の松原を眺めることができます。標高284mと低山だけに車で山頂までアクセスできるのも魅力です。
佐賀県以外の九州では「波戸岬」「浜野浦の棚田」にも注目
同じく唐津市からは「波戸岬」が佐賀を除く九州在住で12位にランクイン。東松浦半島に突き出た小さな岬で、目の前には美しい玄界灘が広がる景勝地です。そんなロケーションを活かし整備された「波戸岬キャンプ場」は福岡市街からも比較的近いということもあり、週末は予約でいっぱいの人気キャンプ場となっています。さらに2022年5月下旬にはシーサイド・キャンプ&ミュージック・フェス「Karatsu Seaside Camp 2022 in 玄界灘」が催されたことも話題に。2023年5月27日(土)、28日(日)の2デイズで「Karatsu Seaside Camp 2023 in 玄界灘」の開催も決定していますので、ぜひ最新情報をチェックしてみてください。
唐津市の隣、玄海町の「浜野浦の棚田」も佐賀を除く九州在住で14位に入るなど、人気が高いスポット。玄界灘に面した傾斜地に大小283枚の田んぼが幾重にも連なる棚田の名所で、特に水張りが始まる4月中旬から、田植えが終わる5月上旬〜中旬は田んぼの水面に周りの風景がリフレクションする様が美しいと評判。そして、夕暮れ時も絶景です。共起語に「花火」の単語が多く見られたのは、2022年5月2日にサプライズで花火が打ち上げられたから。2023年の花火の実施は未定ですが、もしかしたら今年もGW時期に開催されるかも!?
春のTweetに注目!「大興善寺」のつつじ
Twitter解析を2022年3月1日〜5月31日に行ったこともあり、佐賀を除く九州在住で17位に“つつじ寺”の愛称で親しまれる「大興善寺」がランクイン。「大興善寺」があるのは筑紫野市や小郡市と隣り合う基山町ということもあり、福岡からの来場者も多い春の花名所です。つつじの花の見頃は例年4月下旬〜5月上旬なので、今春の開花にも期待しましょう。
佐賀在住では10位に入るも、佐賀を除く九州在住、佐賀を除く全都道府県ではランク外だったのが「小城公園」。こちらも「大興善寺」と同様、春にTwitter解析を行ったことで佐賀在住では注目を集めたスポットです。その理由は佐賀県下随一の桜の名所だから。小城藩初代藩主鍋島元茂から二代藩主直能によって作られた名庭園で、園内には約3000本の桜を植樹。佐賀県で唯一「日本さくら名所百選」に選定されています。
Twitter解析で判明した、
佐賀県人気の神社仏閣・史跡巡りも楽しみたい
続いては、Twitter解析結果で上位に来た、神社仏閣・史跡カテゴリのおすすめスポットを紹介していきましょう。
佐賀を除く九州在住で7位となった「唐津城」の共起語は「桜」「海」「藤棚」。これは集計期間が春だったのが理由で、それが示すのは春は花名所としても楽しめるということです。
唐津市のシンボルにもなっている天守閣は1966年に建てられたもので、最上階の5階は展望台として整備されています。共起語の「海」は美しい唐津湾を一望できるのが理由です。
「唐津城」に次いで8位となったのは「吉野ヶ里歴史公園」ですが、吉野ヶ里遺跡という名称の方がピンとくる人も多いかもしれません。九州在住の場合、小学校の修学旅行で訪れたという思い出が印象に残っている人は少なからずいて、吉野ヶ里=遺跡というイメージは根強いはず。もちろん遺跡が発掘され、弥生時代の建物が復元された史跡ではあるのですが、広い園内には遊具が充実し、BBQも楽しめる公園ゾーンを整備。体験プログラムも開催され、週末ともなれば家族連れで大賑わいの人気スポットなんです。
佐賀を除く九州在住では11位に鹿島市にある「祐徳稲荷神社」がランクイン。日本三大稲荷の一つに数えられ、商売繁盛、家運繁栄、交通安全、縁結びなどのご利益で有名です。年間約300万人が訪れる人気の理由は荘厳な造りの楼門や本殿など建物の美しさもありますが、本殿からさらに山を登った先にある奥の院からの眺めが素晴らしいことも一つ。鹿島市の町並み、有明海が織りなす絶景に心癒される一時を過ごしてみましょう。
Twitter解析ではランク外ではありますが、史跡であれば「佐賀県立名護屋城博物館」の「黄金の茶室」もチェックしたいところ。2022年3月27日に一般公開が始まった「黄金の茶室」は豊臣秀吉が作らせたとされる伝説的な茶室で、柱や壁、天井、茶器はすべて金一色。博多の豪商・神屋宗湛が記した「宗湛日記」などを参考資料に完全再現したもので、まさに豪華絢爛という言葉が似合う空間になっています。博物館開館中はいつでも無料で見学ができ、写真撮影もOKです。
Twitterでも人気に!?!
佐賀の新しい旅のスタイル!?サイクルツーリズム
佐賀市内を流れる一級河川「嘉瀬川」が佐賀を除く九州在住のランキング10位は意外な結果。地元民にとっては佐賀平野に広がる河川敷はのんびりと穏やかな日々を象徴する場所ではありますが、観光のイメージはそこまでありません。共起語には「バイク」に関連した単語が多く見られたことから、ツーリングの人気ルートになっていると思われます。
佐賀平野に代表されるようにフラットなところが多い佐賀は、ここ数年「佐賀サイクリングクラブ」を結成し、佐賀を自転車で走る楽しさを発信中。佐賀県全域でおすすめルートを設定し、「自転車でめぐる歴史とグルメ旅」「“東洋一の可動橋”と呼ばれた昇開橋へ!」など5つのコースを公式サイトで紹介しています。詳しくは下記URLからチェックしてみてください。
https://www.asobo-saga.jp/scc/
温泉、自然、神社仏閣・史跡など多彩な観光スポットが点在する佐賀は高速道路、西九州新幹線、JRなどアクセスがしやすいのも大きな魅力です。例えば福岡市からなら高速道路を使えば佐賀市まで約1時間、唐津市までも西九州自動車道などを利用して同じく約1時間と思い立ったらすぐに行ける距離感。Twitter解析から見えてきた各スポットの楽しみ方などを参考に、ふらりと遊びに出かけてみてはいかがでしょう?
提供/(一社)佐賀県観光連盟