国税庁は公表している「所得税及び復興特別所得税の確定申告の際に誤りの多い事例」のなかで、「副収入の申告漏れ」をあげています。
では、年末調整が済んでいる給与所得者で、本業はあるけれどメルカリやヤフオク、PayPayフリマなどで副収入を得た場合、売上は確定申告の対象になるのでしょうか?
答え:給与所得以外の「20万円を超える所得」は確定申告が必要!
多くの給与所得者は、給与の支払者による年末調整で源泉徴収された所得税額と、納付すべき所得税額との過不足が清算されるので、確定申告の必要はありません。
しかし、年末調整が済んでいる給与所得者でも、その給与所得以外に副収入などによって20万円を超える所得を得ている場合には、確定申告が必要となります。
給与所得者の副収入としては、さまざまなものが考えられますが、たとえば次のような所得については、一般的には、それぞれ雑所得に該当します。
1.インターネットのオークションサイトやフリーマーケットアプリなどを利用した個人取引による所得
(具体例)
・衣服・雑貨・家電などの資産の売却による所得
※古着や家財など、生活に通常必要な動産の売却による所得は非課税(この所得については確定申告が不要)で、損失は生じてないものとみなされます。
・自家用車などの資産の貸付けによる所得
・ベビーシッターや家庭教師などの人的役務の提供による所得
2.ビットコインをはじめとする暗号資産の売却等による所得
3.民泊による所得
※個人が空き部屋などを有料で旅行者に宿泊させるいわゆる「民泊」は、一般的に、利用者の安全管理や衛生管理、また、一定程度の観光サービスの提供等を伴うものですので、単なる不動産賃貸とは異なり、その所得は、不動産所得ではなく、雑所得に該当します。
なお、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は課税対象となります。また、給与所得がない人は、48万円を超える所得を得た場合は確定申告が必要となります。
この連載の記事
- 第53回
ビジネス
【2023年提出】確定申告の提出が遅れたらどうすればいい? - 第52回
ビジネス
【2023年提出】確定申告を間違えた場合の対処法 - 第51回
ビジネス
【2023年提出 確定申告】3月15日締切! 郵送の場合「消印」はいつ? - 第50回
ビジネス
確定申告3月15日提出期限「失敗しない提出方法まとめ」もっともギリギリはどれ? - 第49回
ビジネス
【2023年提出 確定申告】国税庁が公表、基礎控除額の改正に注意! - 第48回
ビジネス
【2023年提出】赤字ならば「確定申告」をしなくていい? - 第46回
ビジネス
【2023年提出 確定申告】引越をしたらどこの税務署に提出? - 第45回
ビジネス
【2023年提出 確定申告】医療費控除に必要なのは領収書? 明細書? - 第44回
ビジネス
【2023年提出 確定申告】e-Taxの休止日、利用可能時間に注意! - 第43回
ビジネス
【2023年提出】確定申告って支払調書がないとダメ? 税務署に提出する?