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マイクロソフト、「Bing」のチャットAIで3種類の回答モードを選択可能に

2023年03月03日 15時00分更新

文● @sumire_kon

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マイクロソフト「Bing」チャットボットによる回答

 マイクロソフトのWebエクスペリエンス プレジデントであるミハエル・パラキン氏は、検索サービス「Bing」に搭載したチャットAIに複数の回答モードを追加したと3月2日に公表した。「独創性」「バランス」「厳密」の3種類があり、ユーザーが自由に選択することができる。

3つのモードで回答を選べるように

 

 BingのチャットAIはマイクロソフトがOpenAIの「ChatGPT」をベースに開発したもの。ユーザーは人間同士の会話と同じように、文章でチャットAIに話しかけ、検索や提案、文章作成などをさせることが可能だ。

 なお、このチャットAIは現在、先行体験ユーザー限定で公開されている。

 今回のアップデートではチャットAIの回答内容について、ユーザーが3種類のモードを選べるようになった。

 1つ目の独創性モードでは、チャットAIは独創的で想像力に富み、驚きと楽しさを生み出すような回答を生成する。UIの色も赤系になる。

 2つ目のバランスは合理的で一貫性があり、会話の正確さと創造性のバランスがとれたモードだ。UIの色は青。

 3つ目の厳密モードは、正確さと関連性を優先し、事実に基づいた簡潔な回答となる。UIの色は緑だ。

複雑かつ正確さを要求される回答ほど違いが出てくる

 先行体験ユーザーである筆者も早速試してみたが、比較的単純な指示(「週刊アスキーについて教えて」)では、独創性モードとバランスモードについては、筆者の環境ではあまり違いを感じることができなかった。厳密モードも他の2モードと極端な違いがあるわけではないが、こちらの方がより簡潔で淡々とした回答に変化する。

独創性モードの回答例

 次に少々複雑な指示(「京都から近鉄特急で行ける温泉地を教えて」)を試してみたところ、こちらは3モードの違いがわかりやすかった。 

 まず独創性モードでは箇条書きで候補を挙げつつ、具体的な交通手段までかなり詳しく説明してくれる。視覚的に見やすく、内容も読みやすい。

独創性モードでの回答例。近鉄京都線で滋賀県のおごと温泉へ行くことはできない。

 バランスモードも基本的な傾向は同じで、独創性モードの回答を短い文章に要約したような回答となる。

バランスモードでの回答例。1つ目の回答で実在しないと結論を出した「近鉄石山駅」が2つ目の回答の交通案内に出てしまっている。

 ただし、どちらもその路線では行けない場所を挙げたり、実在しない駅をねつ造してしまうなど正確性には難があった。

厳密モードは正直に「わからない」と答える

 一方の厳密モードは正直に、こちらの希望する情報を発見できなかった旨を回答してきた。全く誤情報を出さないわけではないだろうが、正確性を重視する場合は厳密モードを選択した方が良さそうだ。

 BingのチャットAIは現在先行体験ユーザーを募集中。ウェイティングリストに登録すると、準備が出来次第チャットAIを利用可能となる。

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