Tensixコアは縦横4方向のリンクを持つ
しかもNOCはマルチチップ構成で非常に有用
さて、GrayskullでもTensixコア同士はNoCで接続されているという話があったが、これはWormholeも同じである。下の画像がWormholeのネットワーク構成だが、すべてのTensixコアには2つのルーターが置かれ、それぞれのルーターは縦方向と横方向の2対のリンクを保持しており、結果としてTensixコアは縦横4方向のリンクを持つ構造になる。
このメッシュの上でNOCを構築するのはGrayskullと同じである。ただGrayskullではこれをNOCにする意味が今ひとつ不明だったのだが、続くスライドでその意味が完全に理解できた。
先にも書いたように、Wormholeは100GbEを16本搭載し、これを利用してチップ間接続が可能になっている。上の画像はこのWormholeを12個集約した例であるが、16本のGbEを4本づつに分けたうえで、それぞれ上下左右のWormholeと接続する格好である。
この際にリンクはGbEを経由して外部に引っ張り出される形になる。
この構成で言えば、80×12=960個のTensixコアが特にパーティションもなにもない、均一な形で接続されているようにプログラマーからは見える。こうなってくると、NOCを利用するメリットは明確である。
Wormholeが1チップで動作しているのであれば、NOCのメリットはあまり感じられないが、物理的にどうつながっているかケースバイケースのマルチチップ構成でプログラミングをすることを考えると、NOCは非常に有用である。
ちなみに2021年の計画では、このWormholeを32個つないだNebulaが4Uサーバーとして提供され、このNebulaを8つ搭載した48UのラックがGalaxyとされていた。
そのGalaxyの内部結線を分解したのが下の画像だ。
このGalaxyでは256個のWormholeが搭載され、Tensixコアはトータル2万480個、演算性能はFP16で110PFに達する。そして必要なら複数ラックをつないでさらに大規模な構成を構築することも可能だ。
そして内部は、レイヤーの複雑さに応じてTensixコアの塊を任意のパーティションに区切ってそれぞれ処理させることで効率を上げられるとする。
昨年2月の時点ですでに最初のサンプルはできあがっていたようで、予定では2022年第4四半期に出荷という話であったが、今のところまだ発表がないあたりはやや遅れているようだ。
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