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理研、オルガノイドをより高次形態に成長させる技術を開発

2023年02月10日 14時43分更新

文● MIT Technology Review Japan

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理化学研究所の研究チームは、ピペット操作で簡単に複数の細胞周囲環境を空間的に制御する技術を開発した。現在世界中で開発が進められているミニ臓器(オルガノイド)をより高次形態に成長させることを可能にする技術として、創薬や再生医療に貢献することが期待される。

理化学研究所の研究チームは、ピペット操作で簡単に複数の細胞周囲環境を空間的に制御する技術を開発した。現在世界中で開発が進められているミニ臓器(オルガノイド)をより高次形態に成長させることを可能にする技術として、創薬や再生医療に貢献することが期待される。 研究チームは今回、3Dプリンターを用いて、断面がL字型のフレームで囲まれた空間(ユニット)を複数持つ、キューブ型の培養プラットフォーム「マルチキューブ(MultiCUBE)」を開発。培養ゲルが表面張力で各ユニット内に保持されることを利用して、異なる性質を持つ複数の培養ゲルを空間的に自在の位置に配置可能にし、オルガノイドが生体により近い複雑な構造の環境下で成長できるようにした。 従来のオルガノイドは全方位均一な条件下で培養して作られるため、球状あるいはランダム方向の分岐を持つものがほとんどであり、体内の形態とはかけ離れている。そのため、臓器本来のマクロな構造を作ることは至難であるという問題がある。 今回の研究論文は、科学雑誌アドバンスト・マテリアルズ・テクノロジーズ(Advanced Materials Technologies)オンライン版に2023年1月29日付けで掲載された

(中條)

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